寒い川だから
だからこそ佐藤光留です。
もう説明は必要ないかと思いますが、先日から東京都にも新型コロナウイルス感染拡大防止のアレから緊急事態宣言が出ました。
4月23日の夜に「25日からだからヨロシクね」と、扱いの悪いサラリーマン漫画のオープニングのような急展開で発令された事。個人的に思い入れのあったCIMA選手との世界ジュニア戦が無観客になった事。「納税」という義務は果たしても、お上の言う「協力」は何となく「従わなかったら社会的にアレ」という空気になるなど、色々な思いはあります。
が、実際にコロナウイルスは感染拡大を続けており、プロレスや格闘技に興味の無い人からすれば「当たり前だ」という対策だったりします。そこを議論するのは佐藤光留のやる事ではない。
今、佐藤光留が神経戦を展開している問題は、5月2日に開催予定のハードヒット&川村15.5周年興行の開催方法であります。
1年前の3月に開催したハードヒットでは初の無観客興行を決行。昨年8月には「屋外ならええやろ」という短絡的な思考でスタジアム興行を開催して日本初のスタジアム興行戦争になってお茶を濁してきました。多くのスポンサーと、参戦している選手の熱意によって続けて参りました。
が、今回の状況はまさにスペシャル。
無観客興行にすると、チケット収入が0になります。昨年の無観客興行は奇跡的に会場の予約を平日にしていたため、使用料金も安かったのです。が、今回は日曜日の昼夜開催。もちろん土日祝日の開催は集客が見込めますので値段相応ですが、その利点(というか生命線)が0になります。これはもう会場使用料の支払いが出来ない佐藤光留が新木場で監禁される。
しかし有観客興行にすると、所属する団体の方針で出れない選手、そしてスタッフが出てくる。佐藤光留の興行は個人で行うので、出来るだけ打ち合わせなどの時間は少ない方が良い。というか、選手としても出場しているので、基本的には打ち合わせの時間は取らない。それでも大会が滞りなく進行していくのは、何度も興行をやってきたスタッフがいてくれるから。かといって団体の方針は尊重しなければならない。
ちなみにキャンセルでも会場料金は全額支払い。これは会場側の嫌がらせでも何でもなく、過去に使用料を払わなかったアホがルールを厳格化させた結果。了承して予約した以上、従うのが社会のルール。こちらがルールを緩めて貰えば、逆にルールを緩められても文句は言えない。誰もが守るから機能する。それがルールである。
困った。この状況は本当に困った。行くも地獄。戻るも地獄である。
奇しくも今年は厄年。しかも本厄。厄払いは全国唯一の「八方除」で有名な寒川神社にお参りしたのだが、4月26日現在は絶賛「八方塞がり」なのである。この話を控え室でした時に一番大きな声で笑った某選手の尿道から七色の膿が吹き出しますように。
まだ大人数で笑っているうちは気が紛れたが、1人で家にいるとマジで震える。今回も多くのスポンサーに協力してもらっているとはいえ、厳しい事には変わりがない。
選手の現役生活というのも有限である。オリンピックを開催するかどうかという話しをしているが、人生で1度しか訪れる事のない競技人生のピークに何も出来ないというのは、選手からすれば死を宣告されているのと同じである。生きていれば幸せな瞬間は来るが、それと競技人生のピークを発揮する場所を失うのとは別問題だし、それはプロレス・格闘技でも同じである。この混乱の中、減量をして競技に参加している階級制のスポーツの選手の精神力は尋常ではない。
ここは大きな決断をしようと思う。
5月2日に新木場1stRINGで行うハードヒット&川村15.5周年大会は、有観客興行として開催します。
ただし、過去に類を見ないレベルで感染防止対策を徹底します。
まず座席数ですが、もともと用意された半分の席数で行う予定でしたが、さらに減らします。まだ販売されていない席、そして当日まで売れなかった席は椅子を撤収し、間隔をより広げます。昼のハードヒットはもちろん、あまり売れ行きの良くなかった夜の川村15.5周年なんて過去最高の広々具合になる予定です。1LDKのマンションと見間違う観戦スタイルをお楽しみください。
そして空気の入れ替えは最大量のまま大会を進行します。新木場1stRINGの西側にあるシャッターを常時開放。東京湾の潮風を存分に感じながらの観戦になります。人によっては夜は冷える可能性がありますので、防寒の用意をしておいてください。
グッズ販売などは一切やりません。選手としてはグッズ販売の有無は死活問題ですが、そもそもコロナで死活問題だ。この恨みは全て対戦相手と川村にぶつけて欲しいし、ネット通販などは今まで以上に積極利用していただきたい。
今まで通り、入場時は検温と消毒を行います。声援禁止。声を上げたお客様はご退場とさせていただきます。「神輿やないねんから」はご遠慮ください。
ここからは冗談のような本気の冗談です。
日本の人口だけで1億数千万人。意見の相違が前提として存在する世の中で、プロレスの興行を開催する事に否定的な声も上がると思います。
が、全ての責任は主催者である佐藤光留にあります。「◯◯のためにも開催する」という言い方は責任転嫁の予約をしているみたいなので絶対にしません。佐藤光留が「プロレス興行をやりたい」という決断をして、大会規模と観戦スタイルを最大限考慮して進行します。
これ以上の協力をお客さんに求めるのは本当にどうかと思いますが、家を出て新木場で折り返し帰宅するまで基本的に喋らないでください。チケットの引き換え時、紙に名前を書いて係員に見せてください。場合によっては主催側も無言です。息も出来るだけしないでください。
政治家に文句も言わないし、やたら「補償がー」とかも言わない。水棲生物が陸に上がる時、誰かが足を掴んで水の中に引きずり込めば進化の歴史は無かったハズだ。我々が今、やらなければいけない事。それは今の状況下で最大限の警戒を行い生きる道を模索する事だ。
引き続き、スポンサーでのご協力を募集しております。秘密のDVD付き応援チケットも同時募集中。チケットは枚数減らして販売中。
生きるぞ。