おはよう！おはよう！
ねえ！こっち見てよ！
ぶんぶん頭をぶん回しながら、
コスモスがそんなふうに言ってる気がした。
1度通り過ぎたんだけど、
“なんか”戻らなきゃいけない気がして戻った。
風が強くて、荒ぶるコスモス。
せっかく戻ってきたのに、
こちらを向いてくれない。
コスモスの正面を何とかとらえ、撮影し、
歩き出した。
コスモスのおかげで、
目の前の景色が目に入ってきた。
でもすぐに、
意識は今ここじゃないところに飛び、
軽い記憶喪失状態。
それでも歩いてるのだから不思議だ。
あれあれと気づいて、
目の前の景色に意識を戻すけど、
またすぐに今ここじゃないところに
意識は飛んでいき、
また軽い記憶喪失状態。
この時は仕事のこと考えてたかな～。
今ここを歩いているのに、
体は持ち主を失って空っぽ。
よく歩けてるなと思ったし、
普通に考えて危ないなと思った。
そうか。
いつもそうだ。
いつも、
意識はここじゃないところに行っている。
目の前に咲いている花にさえ気づけないほどに。
それどころか目の前の安全さえ不確かだ。
見ているのは、
見えない過去や未来、失敗、不安、
ここにないものばかり。
ここに生きてるのにここに生きてないって、
何のために生まれ、何のために生きているんだろう。
今を生きるために
生まれてきたんじゃないだろうか。
そんな大切なことを
頭をぶん回しながら
コスモスが教えてくれたような気がする。
頭をぶん回してくれなければ、
コスモスの存在にさえ気づけなかったかもしれない。
そのぐらい私は未来の心配ばかりしていた。
夢中は過去や未来にするものじゃない。
夢中は今目の前にために使うものなんだ。
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