最初から→*1
前回のお話→*27
キミカケ*28
みんなのあとについて参道を上ってたんだけど、
ふと見ると翔ちゃんがゆっくりだったから、
歩調をゆるめて横に並んだ。
『お前さ、マジいい奥さんになれるわ』
翔ちゃんが、そう言った・・・?
よく聞き取れなかったけど、たぶん合ってる・・・
だけど・・・
おれオトコだよ、翔ちゃん・・・
つうかなんで今そんなこと言ったの?
頭の上にハテナマークがいっぱい並んだけど、
翔ちゃんの横顔をちらりと見たら
なんか嬉しそうな顔してるから・・・
まいっか、
足元を見て少し笑って、
参道を上っていく。
凛と冷えた空気の中、
おれたちの歩く音に紛れて翔ちゃんの息遣いが聞こえる。
ぁ・・・
どうしよ・・・
今朝からちょいちょい、
翔ちゃんにちょっかい出されてるせいで
妙に翔ちゃんに色気を感じちゃって
息遣いが・・・
一度気になっちゃったらスッゴイ気になっちゃうよ・・・
翔ちゃんのいる右側に血流が偏る感覚・・・
右耳が熱くて、下を向いた。
ハァ、
ハァ、
ハァ、
規則的な翔ちゃんの息遣いが耳を刺激する。
なんだか・・・
カラダが火照り始めて、
左手に持ってたお茶のペットボトルを口にした。
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