・・・どのくらいで帰ってくるかな?
ってか、撮影時間はどのくらいだろう?
『寝てていいから』って言ってくれてたけど、今から寝ちゃったらきっと朝まで起きられない、よな・・・。
どうしよ。
・・・そうだ、ニノの部屋に行こう!
ニノ、新しいゲーム持ってきたって言ってたから一緒にやってもいいし、貸してもらってもいいし!
うん、いいこと思いついたなぁ~。
いそいそと携帯を取り出し、歩きながらニノに電話する。
Rururu・・・ rururu・・・
「・・・ハイ・・・? 何でしょうこんな時間に。」
「あ、にの?おれおれ!」
「・・・わかってますよ。名前出るんだから。何よ?」
「入れてよ」
「は?」
「今おれ にの の部屋の前にいるの!ね、入・れ・て?」
コン、コン、コン!
『入れて』、って言いながらニノの部屋のドアをノックする。
「・・・ったく、夜中に入れてイレテって・・・ ワタシが挿れてもいんですかっつの?」
「ん? なんかゆったぁ? ねぇ、いいから早く~!」
コン、コン、コン、コン!
カチッとドアが開き
「・・・るさいなァ、まったくアンタは。なんで寝てるとは思わないかな?」
不機嫌そうなニノが顔を出して部屋に入れてくれた。
なんだかんだ言っても、ニノはおれに付き合ってくれる。
「くふふっ、ごめんね?」
「・・・もっと他に行くトコあるんじゃないんですか?」
「うん、・・・しょぉちゃん夜会の収録があってさ・・・」
「・・・ふぅん。で、追い出されたの?」
「っていうかさ、やっぱまずいでしょ?しょぉちゃんの部屋におれがいたらさ・・・」
上目遣いにニノのコトを見たら、ちらっと横目でおれを見て
「・・・別に、ただの仲良しメンバーなら部屋にいたって構わないんじゃないの?それとも見られてマズいようなコトでもシてたんですか?」
「・・・えっっ!? そ、そんなコトない!け、ど?!」
知らん顔してみせるけど、ヤベェよ、耳が熱い・・・!
赤くなってる気がする・・・
「で、ワタシの部屋でナニをしようと?」
「あっ?あっ、うん、一緒にね?ゲームでもしようかな~つって!」
「・・・夜会の収録が終わるまで?」
「うん!・・・ダメ?」
「ダメって言ったらどうするんですか?」
「なんか、ゲーム借りてぇ~、・・・。・・・ねぇ・・・此処に・・・居て、いい・・・?」
「あ~はいはい。どうせ何言ったって居座るんでしょ?」
「くふふ~!やっぱりにのちゃん優しい♪大好きっ!」
ね?なんだかんだ文句言ったって、ニノはおれに甘いんだよ。
なんたって幼馴染だもんねっ!
そのあと、たいして会話もないまま共闘型のRPGを一緒にしてたら画面から顔を上げないまま唐突にニノが口を開いた。
「・・・相葉さん、今幸せ?」
「へ?」
「ちゃんと・・・大切にしてもらってる?」
「・・・ぁ・・・、うん・・・」
思わずニノの顔を見る。すると、口の端をクイッと上げて目を合わせると、
「・・・そっか・・・なんか飲む?」
って、立ち上がった。その背中が、それならいいよ、それ以上言わなくていい、って言ってるみたいで、・・・冷蔵庫に向かう猫背を見送った。
「・・・何があるの?」
「備え付けの・・・ミネラルウオーターと・・・水」
「くふふ~じゃ、お水ちょーだい」
「1本5ドルね」
「え~?! 高けぇよ!!」
急に聞くからびっくりしたけど・・・うん。
おれはちゃんと大切にしてもらってるし、おれが翔ちゃんを大事に思ってるコトも伝わってるハズ。
翔ちゃんとおれが恋人同士になるのはきっと運命。だから、大丈夫だよ?
ありがとう、ニノ。
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