これまでのお話
「俺も・・・俺も、雅紀の事・・・好きだよ、誰よりも。」
自然に、言葉になっていた。
伝えたくて、この気持ちを。
他の言葉が見つからなくて、ありきたりの、どこかで軽視していたその言葉を。
・・・『好き』・・・
あぁ、実はスゲェんだな、『好き』ってコトバ。
想いを胸に抱いていても、言葉にして口から吐き出せば、あやふやだったその想いが確実に実感として湧いて大きくなるんだな。
知らなかったな・・・本気で好きになるってスゲェな、好きって言わずにはいられなくなるんだな・・・
「好きだよ・・・雅紀・・・スゲェ好き・・・。」
「しょぉちゃん・・・ほんとに?」
「あぁ、ホントだよ。ずっとずっと、お前のことを見てたらいつの間にかお前の総てを俺のモノにしたいなんて願うようになってた。
メンバーも、他の誰でも、お前と絡む人間が羨ましいと思ったし、俺以上に親しげにされると嫉妬もした。
俺だって悩んだ。俺はオトコだし、お前もオトコだし、こんな気持ちはおかしいって。
お前と一緒にいて楽しくて楽しくて仕方がなくて・・・この気持ちがなんなのか、確認したくて・・・」
「・・・それでハワイであんなことシたの?」
「う・・・悪かったと思ってるよ・・・あれで、俺の気持ちも・・・、自覚したし、雅紀にも伝わったかなって・・・」
「えぇっ?!ウソでしょ?!」
「えっ・・・」
涙の乾かない雅紀の目がまんまるく見開いて、深いため息とともに、おでこを肩に乗せられた。
→【14】