
デニスホッパー追悼の映画
ま、
「イージーライダー」が真っ当なんだろうけど
僕らしく、これでいこうと思います。
この映画、
公開当時から
日本の「新幹線大爆発」を元にした・・とか
ぱくったとか言われました。
ある一定の速度で、
スイッチが入ると、
ある一定の速度まで落とすと
爆発する・・という
メインのアイディア、
そして
爆走するバスと
平行に車を走らせて
乗り移らせる・・など
同じようなシーンは
たくさんあるので
そう言われても、
まあ、
仕方がない・・というか
これでよく東映が訴えなかったな・・と思うが
実は言うと
それ以前に
アメリカに
似たようなアイディアの映画があった。
「夜空の大空港(The Doomsday Flight)」(1966)という
テレビ映画で
脚本は、ロッドサーリング。
一定の高度から下がると爆発する・・という
アイディア。
さすが
ロッド・サーリング。
そんなぱくり・・部分もあるとしても
この映画、なかなか見せる。
バスの下にまわって爆弾をはずす
ニセの画像で犯人を騙す。
そして
強烈なスピード感。
ヒットする要素は詰まっている。
さらに
カメラマン出身のデ・ボン監督が
スピード感ある繋ぎを熟知しているかのようだった。
それでまあ、娯楽映画としては
及第点だが
ここまで大ヒットするような
本当に見事なアクション映画とは・・・
残念ながら言い難い。
まず最初のエピソード。
あの最後の爆発で
なんで
デニスホッパーが助かったのか・・が
わからない。
誰も何も言っていないので
僕がなにかのシーンを見落としたのかもしれないが
何度見ても、
あの爆発で
なんで
ホッパーが助かったのかが・・・わからない。
そして
さらに・・というか
最大の難点が・・あの未完成高速道路ジャンプである。
あのシーンこそが
この監督の最大のウリであると
同時に
欠点でもある。
どう考えても
普通の神経の監督なら
あのジャンプは無理・・と思う。
論理的に言っても
絵ズラ的にやっても無理だと思うはずである。
どうしてもやりたいというなら
ジャンプのための台を置くとか・・そういう
最低限の説明を入れる。
しかし
デ・ボン監督は
それをやらなかった。
やらなくても観客は納得する・・と思った。
なぜなら
彼が撮影出身だからだ・・。
納得できるような絵ズラを撮れる・・
撮れれば観客は納得する・・・と思ったからだ。
実際、
あの絵ズラはそれなりに納得できるものであったが
いかんせん
あまりにも無茶だ。
さらにいえば
飛びきった後に
スピードょ落としてはいけないのだ。
無茶に無理が重なって、
冷静に観ると
とても
不自然になって覚めてしまう。
映画なんだから
セリフじゃなく
絵で説明せよ。
確かに
その通りである。
しかし
あまりにも無茶な出来事は
絵でやってセリフで説明して
さらに
なんらかの補足的なものがなければ
観客は納得しない。
しかし
このデ・ボン監督は
すべてを絵で説明しようとしてしまう。
つまりは
シナリオがあまり読めない・・のだろう。
だから
ファーストシーンのデニスの生き残りも
不可解な謎として
残ってしまう。
ただ
この映画の魅力を倍増させたのは
役者陣だろう。
キアヌ・リーブスは相変わらずだったが
これでブレイクした
サンドラ・ブロック、彼女の表情挙動すべてが
この映画をリアルに
そして魅力的にしていた。
さらには
嬉々とトチ狂うデニスホッパー。
永遠のアウトサイダー、
最後の最後まで
我が道を行く。
ま、きっと
その生涯は幸せだったのだろう。
ただ
5回の結婚はやりすぎだよなあ・・。
らしい・・といえば
らしいけど・・。






