少し前のいじめなかった子が、亡くなる前に「Mに会いたい」と言ってた話。

「Mとは佐々木基樹さんでは?」と。

…そうですと言いたいところですが、違います。

俺はそんな善人ではないです。笑

…。

…ワタクシ。

…実は。

…いじめっ子でした。泣

…。

…待て待て待て。

この世にいじめられた話というのは沢山あるが、いじめた話というのは極端に少ない。

…皆んなでシカトしたりするので、人数的には5倍以上いるはずなのに。

いじめられた人の話はよくあるが、いじめた人の話は、ほとんどない。

…ま、いいんですけど。

…閑話休題。

…子供の頃、Yってのがいた。

見た目が少し変わってて、身体が常に歪んでいて、運動神経は壊滅的に悪く、気は弱く、頭も悪かった。

当然の如く、友達もいない。

…たまにいる、みんなにいじめられるタイプ。

…みんなして、いじめてた。

…普段絶対に人をいじめたりするタイプではない子が、皆と仲良くしてるタイプの子が、Yだけはいじめてた。

…最初見た時、ちょっと戸惑った。

をいをい、そんなに人をいじめるなよ。理由もなく。

そう微かに思った記憶はある。

…駄菓子菓子。

すぐに慣れた。

Yは、ぶっても蹴ってもいい。

何の報復もない。

皆と同じく、普通にぶったり蹴ったりしていた。

それはもはや、いじめてるという感覚すらなく、挨拶と同じだった。

…。

中学生になった頃か。

数年ぶりに、下校途中、Yがいた。

…おー、最近見かけなかったな!

久しぶり!!

「おー!Yー!!」

…久しぶりに見たY。

こちらとしては、懐かしくてちょっと嬉しかった。

…そのY。

…。

俺を見ると。

「…あ、うん…」と手だけ振って、なるべく目を合わせずスタスタと前に急足で歩き出した。

…それは、これから加えられる危害を最小限にするための自己防衛手段だった。

…。

…もう、ぶったり蹴ったりするつもりはないのに。

…Yは、怯えていた。

俺にまた、ぶったり蹴ったりされることを、怯えていた。

…。

…その時初めて、本当に気付いた。

…逆に言うと、その時までずっと気付かなかった。

「…あ、俺、Yのこと、いじめてたんだな…」と。

…人一人を、ずっと傷つけたままだったんだなと。

…今考えるとものすごく馬鹿だけど、ショックだった。

自覚のなかった重い事実が、一気にのしかかってきた。

「悪いことしたな…。」と思った。

「ごめん」とも思った。

けれど、その時はただそう思うだけで、何も出来なかった。

…。

Yにもしも会う機会があれば。

あらためて、ちゃんと謝りたい。

それで済むわけではないし自己満だけど。

やはり、謝りたいとは思う。

Y、いじめてごめんなさい。

♯Yの仰天事実の事件に関してはブログに書けないので、数日後日のメルマガに書きます。



小樽の鰊蕎麦。小樽はかつて鰊漁で栄えた。

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