コスメルでハプニング

テーマ:
因縁の地、コスメル。


島内唯一の日本人宿で世界戦の時応援に来てくれた人が泊まってたカサ・コスメレーニャにて、管理人の中川氏に水中銃を教わり、一人モリ突きに海に出かけた。


四年前に来た時もそうだったが、この辺りは海流が強い。


魚追いかけてるうちに磯辺から離れてしまい、個人の住宅や敷地ばかりになってしまった。

しばらく行けばまた磯や海岸に出るだろうと思ったら、ずーっと住宅や敷地ばかり。

辺りはすでに暗くなってきた。

気付いた時にはほぼ暗闇。


……海の底も見えないし、見えないまま磯に衝突したりする。

仕方ない、上がろう。


そこが個人の住宅の庭だということは見て分かってたが、上がって行った。

泥棒と思われないように、ハローハローなるべ大声出しながら。


「hey!!」と大声を上げながら、金属バットを構えた男が出て来た。

……それもそうだ、仕方ない。

「すみません、すみません、戻れなくなってしまいまして……」と両手バンザイしながら拙いスペイン語で伝える。

「お前、今すぐ海へ出て行け。さもないと……」

「ごめんなさい、本当に迷ったんだ。もう見えない。外に出たいので、家を通らせてもらえないだろうか」

「ダメだ。海から出て行け」

……。


…………!


「1つ質問がある」

「?」

「七年前、ボクサーのウンベルト・ソリータ・ソトがこの島で試合をしたのを覚えているか?」

「……ああ、見に行ったが、それがどうした?」

「その時の日本人挑戦者は、俺だ」。


一瞬にして、男の表情が変わった。


不審者を威嚇し撃退する男の顔が、ヒーローを見上げる少年の顔に変わった。


「本当か?あなたが??……あの試合は会場で見てました……!」

「本当だ。(今はスマホ持ってないから写真見せられないが)インターネットで是非チェックしてくれ。俺の顔を見て覚えてくれ。名前はモトキ・ササキ、日本人だ」

「分かりました。……どうぞ家を通って帰って下さい」

「どうもありがとう」

「いいえこちらこそ」


流石に声をかけられることはなくなったが、この島の人々の記憶には、あの試合のことが残っていた。






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