コスメル島で考えた

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(続き)
今、俺は、価値観の転換を迫られている。

そんなことを一度ゆっくり考えるため、ここコスメル島までやってきた。


…………。

ボクサーの頃は、勝利が全てだった。

ボクシングで勝つことだけが、俺の生きる意味だった。


…………。

どうしろって、言うんだ?

これから俺は、どう生きていけばいいんだ??



……まず最初に、大きな二択があった。


……大きな、二択。


…………。


小さい頃から、貧乏な家が嫌だった。

貧乏な家が、コンプレックスだった。

なんで友達の家に行くと、余裕のある生活をしているご機嫌なお母さんが昼間家にいて、手作りのオヤツなんて作ってくれるのか。

カタカナで名前も分からないケーキ。お菓子。(おそらく)上等な紅茶。

なんでウチのお母さんは、毎日疲れた疲れた言いながらストレスフルにあくせくと働き続けなきゃいけないんだろう?

なんで俺ん家だけが、こんな状態なんだろう??


……ウチには、お金がないから。


たったのそれだけ。

けれどたったのそれだけで、何でこんなに生活が違うんだろう??


何でみんなは自転車なのに、俺だけ自分の足で走ってるんだろう??


……ウチには、お金がないから。

ウチは、貧乏だから。


……なんで、ウチだけファミコン買ってもらえないんだろう?

……ウチは、…………貧乏だから。


……なんで、オモチャ買ってもらえないんだろう?


……ウチは、……。



「お金なんてくだらない」。

そう言えるのは、お金に真剣に困ったことのない人間だけだ。

綺麗事言ってんじゃねえ。

食いたいもの食えないでみろ。

やりたいことお金のせいでやれないでみろ。

お金のせいでやりたいこと制限されてみろ。

それがどれほど不自由で、惨めで悔しいものか。

……けれど、俺も絶対に言ってやるんだ。

「お金なんてくだらないよ」とな。

……ただし十分お金を持った後でな!


……将来は、絶対にお金持ちになってやる。

……保育園(もちろん幼稚園ではなく)に行ってる時から、俺はそう決めてた。


……普通保育園児が、そんな思いするか?

そんな決意するか??

……そんな過去があること自体、腹立たしい。

お金のことなんてなんの心配もせず、すくすくと育っていたかった。


……しかし、お金に対するそんな決意。

……。

俺はした。


せっかく生まれてきたのに、お金なんかのせいで味わえないことがある。

そんなのは絶対に嫌だ。

自分の家族や子供に、味わさせられないこともできる。

そんなのは、絶対に嫌だ。


……貧乏なのが、いけないんだ。


「経済力」というパワーは、絶対に必要だ。


……。


……「『悪』とは何か?弱さが生み出す全てのものである」というニーチェのニヒリズムに膝を叩いたのは、その15年も後になってからだ。


……大学生の頃出会った、シドニィ・シェルダン著「真夜中は別の顔」。

スゴいヤツは、スゴい家に住んでいるものだ。

お金が持つそのパワーに憧れた。


……そう、弱いのがいけないんだ。


いじめられるやつは、そりゃいじめるやつが悪いけど、いじめられるやつも弱いからいじめられるんだ。(あくまで過去話)

満足な暮らしができないのは、お金の持つパワーを持ってないからいけないんだ。


……ボクシングなら。

……ボクシングならば、誰だって拳一つでお金が稼げる。

家柄もコネも生まれも育ちも頭の悪さも関係ない。

ボクシングなら、勝てばお金が手に入る。


負けるのも嫌だ。

生来の負けん気の強さも、気の荒さも根性もあった。


……ボクシングは良かった。

俺に合ってた。

どんなやつでも関係ない。

小賢しいこともない。

ただ、二つの拳で相手に勝てば、それで良かった。


……けれどそれでは実際稼げる人が少ないのに気付くには、そんなに時間はかからなかった。


……ただ。


ボクシングはもはや俺の生き甲斐になっていた。



つづく


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先日荒井恵一氏に招かれ、群馬県高崎市商工会議所での公演の際、20年ぶりに再会したのが……。


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相馬代典(本庄ジム)選手。
ボクシング辞めた後は総合やってたそうだ。


⇩ランキングは何位なのか??

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