山中慎介8度目の防衛戦。
・・・いやー、こういうブログも久々ですねー。
なので、今日はガッチリいくぞ!
対戦相手は、サンティリャン。
・・・・・・どっかで聞いた名前だな?笑
俺が東洋太平洋ウェルター級タイトル獲った時のチャンピオン。
レブ・サンティリャン。
・・・スペイン語圏の苗字なのかな?
フィリピンは以前、日本で言う江戸時代辺りから明治時代くらいまで三百年くらいスペインの植民地だった関係で、
スペイン語の影響が結構残ってるんだよね。小さい数字とか今でもスペイン語で言ったりする。
さておき。
1R、最初のジャブを山中が打った瞬間、勝つと思った。
・・・こういうのは後からいくらでも言えちゃうんだけどさ・・・。
一言で言うと、いいジャブを打ったから。スピード、タイミング。
コンディションいいなと。
何度か書いた記憶があるけど、山中の左はマジでヤバい話。
一度俺がマス(本気で打たない)で山中はスパー(本気で打っていい)ってルールでスパーやったことあるのさ。
山中より俺の方が5階級くらい重かったからね。
・・・ボクシングにおける階級差ってのは、それくらいでかい。
4~5階級違うと、それで成り立つくらい。
階級軽い選手とはそれでよくやってたし、ボクシング引退してからパーソナルコーチやる時もそれでやってた。
そしたら安全に本物のボクシングを体験することができるしね。
・・当時たぶんフライとかでもっと体重差あったけど、亀田長男ともそれでやった時は何の問題もなかった。
・・興毅とやった時の感想は、やっぱ足腰の強さだったな。身体がぶれない。空振りさせてもバランスが崩れない。
出入りが軽くて速い。
パンチ喰らっても、まぁやっぱり階級差がそれだけあると、大したダメージは受けない。
もちろん普通のフライ級よりはパンチ力あったけど。
あとはチラッと見せてもらった心拍数表。
・・・日本のボクサーで俺以外に心拍数つけてる人なんていたんだ、と思いつつも、その数値。
彼等の練習量は、マジでハンパない。
・・・山中の話に戻って。
開始一分で、マス&スパーのルールでやったことを後悔した。
パンチが痛いから!
パンチが普通にスーパーライト級のボクサーと変わらないかそれ以上だから。
俺はパンチ握って打っちゃいけなくて、喰らった時のダメージだけ普段のダメージと。
こんなハンディあるかと。
・・まぁ、周知の事実だけど、今更ながら言おう。
山中のパンチは、ケタ違い。
バンタム級であのパンチは、反則レベルだ。
・・・けどね。
何が本当に凄いかって言うと。
山中と言えば左って、もうばれてるわけじゃんか。
そしたらそれはもう当たらなくなるんだよ。
それだけ警戒するからさ。
当たっても、警戒してたパンチってのは効きにくくなるんだ。
それに対して身体が反応してるから。
・・で、それに対して、得意パンチを持つ側からすると。
そのパンチさえ当たれば倒れるもんだから、どうしてもそのパンチに頼っちゃうんだよね。
結果大振りになったりして、ますます見やすくなる。
・・・キャッチフレーズつけられたはいいけどそれとは違ってくることが多いのは、こういうわけなんだね。
・・・・が。
それでもなお、左一本には頼らない。
左ストレートがゴツっと当たって腰砕けになったその次。
左をボディに散らしてた。
・・・ああいうのが、ホントに難しいんだよね。
ボクシングといえど、やってるのは皆人間だからさ。
よっしゃーって思ったらもう一回それにいっちゃう。執着と言ってもいい。
それをしない。
だから、当たる。
だから、倒せる。
さて、試合実況。
言った通り、今日はガッチリですよ!
1ラウンド最初の右ジャブを打った瞬間に大体の試合は見えたと書いた。
けど一応相手も見なくちゃ。
変則。
ああいうやり難いタイプは、自分より強い相手に勝つこともある。
・・・けど、基礎力が明らかに違う。
あとは一発をガツンと喰らうか、相手の変なリズムにズルズル巻き込まれなければ問題ない。
プラス、相手のサンティリャン、ちょっと堅くなってる。
堅くなっちゃダメだ。
敵地での世界挑戦、俺も二回やったからすげー分かるけど。
そこでなお、いつもの自分以上の力を発揮しなきゃ、世界は獲れないんだよ。
・・・しても獲れなかったりするし。
しなきゃなおさら。
2ラウンド目。
慎介(と普段呼んでたの思い出した)、相手の頭ちょっと抑える。
レフェリーはスルー。
・・けど、例えばあれも反対だったら、アウェイ側は注意されたりするんだよな。
レフェリーも影響されてないようで影響されてるのだ。
・・しかし挑戦者、ちょっとアウェイ向きではない。
安心して見ていられた。
・・・雰囲気にのまれちゃダメなんだよ。
例えその大会場のほとんどが相手に声援を送っていても。
異国のリングで、異国の対戦相手をほとんどその同国人が応援していようとも!
4ラウンド。
面白くなってきた。
パンチ何発か喰らいそれでも倒れない挑戦者、顔もパンチでカットして後がない。
いい感じで開き直ってきた。
パンチ喰らっといて来い来いとジェスチャー。
・・・うん、ここら辺りはやはり肝が据わってる。
こうでなきゃ世界の頂点を決めるリングには立てない。
・・・あとは慎介が、このペースに飲まれたりしなければ勝てる。
6ラウンド。
あれだけ相手が警戒してたはずの左。
それを見事当ててダウン。
・・・今ビデオないけど、たしかあの後だよ。
俺が慎介だったら、絶対また顎に左を当てに行く。
どうしてもそうしちゃう。
そこで。
最初の一発。
冷静に、左をボディに突き刺したんだよね。
顔かばってる挑戦者が避けられるわけがない。
世界戦のあの瞬間に、あの落ち着き。
・・・けどこれは俺ね、言える。
人は、慣れちゃうんだよ。
文字通り、どんなシチュエーションだろうとも。
場数を踏んでると、あそこで冷静になれるんだよ。
・・もちろんいくらやってもなれない人の方がはるかに多いんだけど。
6ラウンドのダウン。
・・俺だったら(←またこのフレーズだけど)、ラッシュいってた。
確実に試合終わらすために。
チャンスを逃したら、それがいつまた巡って来るかは分からないので。
・・俺の場合、そうせざるを得なかった。
慎介落ち着きすぎか?とも感じた。
が。
次のラウンド。
あっさり終了。
・・・あんだけ「強い」パンチを「当てる」ことができるのなら、無理に行く必要もなかったってことか。
まさに貫禄の勝利だった。
防衛回数ももう八回になった。
凄え。マジで凄え。
具志堅さんの日本人記録13回も見えてきたなこれ。
・・・次会ったら、おもくそ先輩ヅラして言おう。
「おう、こないだおめでとう!左が良かったな!・・右はまだまだだけどな!」
・・・・最後にボケを挿入してる最中に、もう一つ思い出した俺の持論言っといていい?
最強とは何か。
・・これは、色んな分野にも応用が利く事実なので覚えておいて損はない。
最強とは、「欠点のない状態」ではない。
最強とは、「他の誰もが真似出来ないズバ抜けた長所を持つもの」のことである。
弱点は、致命傷にならないよう修正しておけばいい。
自身の持つ最強の武器を、とことんまで磨き抜け。
キューバの夜。
にほんブログ村
・・・いやー、こういうブログも久々ですねー。
なので、今日はガッチリいくぞ!
対戦相手は、サンティリャン。
・・・・・・どっかで聞いた名前だな?笑
俺が東洋太平洋ウェルター級タイトル獲った時のチャンピオン。
レブ・サンティリャン。
・・・スペイン語圏の苗字なのかな?
フィリピンは以前、日本で言う江戸時代辺りから明治時代くらいまで三百年くらいスペインの植民地だった関係で、
スペイン語の影響が結構残ってるんだよね。小さい数字とか今でもスペイン語で言ったりする。
さておき。
1R、最初のジャブを山中が打った瞬間、勝つと思った。
・・・こういうのは後からいくらでも言えちゃうんだけどさ・・・。
一言で言うと、いいジャブを打ったから。スピード、タイミング。
コンディションいいなと。
何度か書いた記憶があるけど、山中の左はマジでヤバい話。
一度俺がマス(本気で打たない)で山中はスパー(本気で打っていい)ってルールでスパーやったことあるのさ。
山中より俺の方が5階級くらい重かったからね。
・・・ボクシングにおける階級差ってのは、それくらいでかい。
4~5階級違うと、それで成り立つくらい。
階級軽い選手とはそれでよくやってたし、ボクシング引退してからパーソナルコーチやる時もそれでやってた。
そしたら安全に本物のボクシングを体験することができるしね。
・・当時たぶんフライとかでもっと体重差あったけど、亀田長男ともそれでやった時は何の問題もなかった。
・・興毅とやった時の感想は、やっぱ足腰の強さだったな。身体がぶれない。空振りさせてもバランスが崩れない。
出入りが軽くて速い。
パンチ喰らっても、まぁやっぱり階級差がそれだけあると、大したダメージは受けない。
もちろん普通のフライ級よりはパンチ力あったけど。
あとはチラッと見せてもらった心拍数表。
・・・日本のボクサーで俺以外に心拍数つけてる人なんていたんだ、と思いつつも、その数値。
彼等の練習量は、マジでハンパない。
・・・山中の話に戻って。
開始一分で、マス&スパーのルールでやったことを後悔した。
パンチが痛いから!
パンチが普通にスーパーライト級のボクサーと変わらないかそれ以上だから。
俺はパンチ握って打っちゃいけなくて、喰らった時のダメージだけ普段のダメージと。
こんなハンディあるかと。
・・まぁ、周知の事実だけど、今更ながら言おう。
山中のパンチは、ケタ違い。
バンタム級であのパンチは、反則レベルだ。
・・・けどね。
何が本当に凄いかって言うと。
山中と言えば左って、もうばれてるわけじゃんか。
そしたらそれはもう当たらなくなるんだよ。
それだけ警戒するからさ。
当たっても、警戒してたパンチってのは効きにくくなるんだ。
それに対して身体が反応してるから。
・・で、それに対して、得意パンチを持つ側からすると。
そのパンチさえ当たれば倒れるもんだから、どうしてもそのパンチに頼っちゃうんだよね。
結果大振りになったりして、ますます見やすくなる。
・・・キャッチフレーズつけられたはいいけどそれとは違ってくることが多いのは、こういうわけなんだね。
・・・・が。
それでもなお、左一本には頼らない。
左ストレートがゴツっと当たって腰砕けになったその次。
左をボディに散らしてた。
・・・ああいうのが、ホントに難しいんだよね。
ボクシングといえど、やってるのは皆人間だからさ。
よっしゃーって思ったらもう一回それにいっちゃう。執着と言ってもいい。
それをしない。
だから、当たる。
だから、倒せる。
さて、試合実況。
言った通り、今日はガッチリですよ!
1ラウンド最初の右ジャブを打った瞬間に大体の試合は見えたと書いた。
けど一応相手も見なくちゃ。
変則。
ああいうやり難いタイプは、自分より強い相手に勝つこともある。
・・・けど、基礎力が明らかに違う。
あとは一発をガツンと喰らうか、相手の変なリズムにズルズル巻き込まれなければ問題ない。
プラス、相手のサンティリャン、ちょっと堅くなってる。
堅くなっちゃダメだ。
敵地での世界挑戦、俺も二回やったからすげー分かるけど。
そこでなお、いつもの自分以上の力を発揮しなきゃ、世界は獲れないんだよ。
・・・しても獲れなかったりするし。
しなきゃなおさら。
2ラウンド目。
慎介(と普段呼んでたの思い出した)、相手の頭ちょっと抑える。
レフェリーはスルー。
・・けど、例えばあれも反対だったら、アウェイ側は注意されたりするんだよな。
レフェリーも影響されてないようで影響されてるのだ。
・・しかし挑戦者、ちょっとアウェイ向きではない。
安心して見ていられた。
・・・雰囲気にのまれちゃダメなんだよ。
例えその大会場のほとんどが相手に声援を送っていても。
異国のリングで、異国の対戦相手をほとんどその同国人が応援していようとも!
4ラウンド。
面白くなってきた。
パンチ何発か喰らいそれでも倒れない挑戦者、顔もパンチでカットして後がない。
いい感じで開き直ってきた。
パンチ喰らっといて来い来いとジェスチャー。
・・・うん、ここら辺りはやはり肝が据わってる。
こうでなきゃ世界の頂点を決めるリングには立てない。
・・・あとは慎介が、このペースに飲まれたりしなければ勝てる。
6ラウンド。
あれだけ相手が警戒してたはずの左。
それを見事当ててダウン。
・・・今ビデオないけど、たしかあの後だよ。
俺が慎介だったら、絶対また顎に左を当てに行く。
どうしてもそうしちゃう。
そこで。
最初の一発。
冷静に、左をボディに突き刺したんだよね。
顔かばってる挑戦者が避けられるわけがない。
世界戦のあの瞬間に、あの落ち着き。
・・・けどこれは俺ね、言える。
人は、慣れちゃうんだよ。
文字通り、どんなシチュエーションだろうとも。
場数を踏んでると、あそこで冷静になれるんだよ。
・・もちろんいくらやってもなれない人の方がはるかに多いんだけど。
6ラウンドのダウン。
・・俺だったら(←またこのフレーズだけど)、ラッシュいってた。
確実に試合終わらすために。
チャンスを逃したら、それがいつまた巡って来るかは分からないので。
・・俺の場合、そうせざるを得なかった。
慎介落ち着きすぎか?とも感じた。
が。
次のラウンド。
あっさり終了。
・・・あんだけ「強い」パンチを「当てる」ことができるのなら、無理に行く必要もなかったってことか。
まさに貫禄の勝利だった。
防衛回数ももう八回になった。
凄え。マジで凄え。
具志堅さんの日本人記録13回も見えてきたなこれ。
・・・次会ったら、おもくそ先輩ヅラして言おう。
「おう、こないだおめでとう!左が良かったな!・・右はまだまだだけどな!」
・・・・最後にボケを挿入してる最中に、もう一つ思い出した俺の持論言っといていい?
最強とは何か。
・・これは、色んな分野にも応用が利く事実なので覚えておいて損はない。
最強とは、「欠点のない状態」ではない。
最強とは、「他の誰もが真似出来ないズバ抜けた長所を持つもの」のことである。
弱点は、致命傷にならないよう修正しておけばいい。
自身の持つ最強の武器を、とことんまで磨き抜け。
キューバの夜。
にほんブログ村