まぁ、パーソナルコーチも色々ある。

自分がボクサーとして目指していた時には想像もつかなかった発想が、ある。


「いいか?この体勢から、まず横からボディを叩く。相手の意識が下にいって
ガードが少し開いたその瞬間に、このポジションからこうアッパーを突き上げるんだ」

我が意を得たりとばかりに表情がパッと明るくなって、嬉しそうに彼は言った。

「不意打ちですね!!」


・・・・・・・・・・。

あ、ああ。

不意打ち?・・・そうとも言えなくはないかな?


・・ちょっとずれてるけど、うん、まぁ、そうとも言えるかもな?


この時はまだ、彼の独自な感性に気付いていなかった。



またある時。

これは言葉では説明しにくいので、特別ゲスト近藤の協力を得て写真で解説しよう。

「ジャブ打った時に最も気をつけるべきカウンターは、クロス」

$元ボクサー日記

「まず緩急強弱をつけ、カウンターのタイミングを相手に計らせないこと。それでももし合わせ
られてしまったら。肘ではね上げるか、止めるか。それでも最悪間に合わない時は、
後ろ向いちゃう。スリップアウェイって名前がついてるけど」

$元ボクサー日記

「ウンベルト・ソト
とやった時は結局これでギリギリのところで避けざるを得なかった」

$元ボクサー日記

「なるほど!・・で、どっちに向くんですか?」

「???」

「右ですか左ですか?」

「こういうことか?」

$元ボクサー日記

「はい!」

「その通りだ!」

「なるほど」

「・・って、んなわけあるか!大笑 自分から思い切り喰らいにいってどうする!!」


「ボクシングにおける防御は大きく分けて二つ。グローブで防御するか、
パンチを避けるか。だけどもう一つある。最初からもできるし、どうしても
な時にとにかくやる最終手段とも言える」

「それはどうするんですか?」

「とにかく頭を振ること!頭振って相手の焦点を外すんだ!」

「分かりました!」


彼がやったことを再現しよう。

$元ボクサー日記

$元ボクサー日記

$元ボクサー日記



「それは『いいえ』だろぉ!」


やはり最初に戻って、断言し直そう。


不意打ちでは、ない。

断じて、ない。


しかし彼はふざけているのではなく、本気で強くなるためにコーチを受けている。

ヤル気はあるし、人より優れた部分もある。


そこを、最大限活かして伸ばしてやるのだ。

彼が強くなったらガチで俺のおかげだと内心思っている。
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