病気になったら病院へ、
病気になりたくなければ鍼灸を。
群馬県前橋市を拠点に出張専門鍼灸を開業している、
ささき ひでかず
(本名・佐々木秀和)
です。
今回は人体における陰陽について投稿します。こちらは寒熱に関わることです。以前、2022年11月26日に投稿した『陰陽論』でも以下の内容を触れました。↓↓↓
陰陽の生理
温めたり、冷やしたり、動かしたり、静かにしたりする作用の方向性と大きさを表しています。これら陰陽のバランスによって人体の生理活動が維持されてます。
陰の生理
血・津液・精による滋潤作用などの現れです。また、寧静作用といって、人体において相対する陽を抑制する働きを持っています。このように、陰は人体の動的な活動を調節する役割を担ってます。つまり、陰は滋潤作用と寧静作用を表しています。
陽の生理
気による温煦作用・推動作用などの現れです。また、相対する陰を抑制するように温めたり、陰液を推動する役割を担ってます。つまり、陽は温煦作用・推動作用を表しています。
陰陽の病理
陰陽に失調が生じると、温めたり、冷やしたり、動かしたり、静かにしたりする作用のバランスが崩れて、寒証・熱証の症状が起こります。
陰の病理
陰虚(虚熱)
陰液が減少すると陰の機能が低下します。陰の機能が低下すると、相対的に陽の機能が旺盛になり、火照りやのぼせなどの熱症状が現れます。このように陰の機能が低下した状態を陰虚といいます。この熱は陰液不足による熱であるので虚熱ともいいます。
陰虚の症状には、のぼせ・五心煩熱・盗汗・頬部紅潮など部分的であるのが特徴で、血虚・津液不足・精虚の症状を伴うことも多いです。代表的な症状は、ほてり・のぼせ、五心煩熱(手掌と足底だけでなく胸部の熱感や不快感)・手足煩熱(手掌と足底に熱感)、盗汗(寝汗)、頬部紅潮、消痩(痩せた状態)、舌質紅・舌苔少・脈細数(舌質が紅く、苔が黄色味を帯び、脈が脈幅が小さく速い)があります。
陰盛(実寒)
寒い環境での居住や仕事など体外から寒邪を感受したり、冷やす性質の飲食物の食べ過ぎたり、飲み過ぎたりなどにより身体を冷やす力が旺盛になります。陰が旺盛になることを陰盛といいます。この冷えは生理的範囲を超えているため実寒ともいいます。
陰盛の症状は明確な寒症状です。寒邪には凝滞性(気・血・津液の流れを滞らせる特徴)があり、気・血・津液の流れが滞ると痛みが生じることが多いです。また、冷やすと増悪し、寒い時期になると発症する特徴があります。代表的な症状は、寒がり・四肢の冷え、顔面蒼白、疼痛、下痢・小便清長(小便が澄んでいて量が多い)、脈緊・脈遅(堅く緊張した脈であり、脈拍が遅い)があります。
陽の病理
陽虚(虚寒)
気が減少すると陽の機能が低下します。陽の機能が低下すると、相対的に陰の機能が旺盛になり、寒がりや四肢の冷えなどの寒症状が現れます。このように陽の機能が低下した状態を陽虚といいます。これは気が不足したものであるので虚寒ともいいます。代表的な症状は、寒証の症状だけでなく、気虚の症状も存在します。寒がり・四肢の冷え、顔面蒼白、腹痛、下痢・小便清長(小便が澄んでいて量が多い)、脈遅(脈拍が遅い)、自汗(やたらと汗が出る)、精神疲労・倦怠感、食欲不振、息切れ、脈弱(脈拍が弱い)があります。
陽盛(実熱)
暑い環境での居住や仕事など体外から熱邪を感受したり、温める性質の飲食物の食べ過ぎたり、飲み過ぎたりなどにより身体を温める力が旺盛になります。陽が旺盛になることを陽盛といいます。この熱は生理的範囲を超えているため実熱ともいいます。
陽盛の症状には広範囲で紅いが特徴で、顔全体が紅い、全身性の熱感があるなど広範囲となりやすいです。また、温めると増悪する、暑い時期になると発症する傾向にあります。代表的な症状は、身熱(全身性の発熱)・顔面紅潮、煩躁(煩わしい不快な熱感)・多言(やたらとしゃべる)、小便短赤(小便の量が減少、色が黄色い)、便秘、舌質紅・舌苔黄・脈数(舌質が紅く、苔が黄色味を帯び、脈が速い)があります。
