病気になったら病院へ、
病気になりたくなければ鍼灸を。
群馬県前橋市を拠点に出張専門鍼灸を開業している、
ささき ひでかず
(本名・佐々木秀和)
です。
疏泄(そせつ)作用…体内にある気血の流れをスムーズにする作用。
感情の動きをコントロールする働き、気の流れを調節する働き、脾胃の正常に機能するように補助する働き、月経を調節する働きがあります。
蔵血(ぞうけつ)作用…血を貯めておき、血をコントロールする作用。
水穀の精微などから形を変えた血を貯蔵します。また、必要に応じて血の出し入れを行い、全身の血流量を調節しています。覚醒時には多くの血を全身に巡らせ、睡眠時には臓腑を滋養するために使ってます。
生理特性
昇発(しょうはつ)…上へ、外へという気機の方向性。
条達(じょうたつ)…常に伸びやかになっている状態。四方に伸びていき、広く行き渡ること。
対応する五行
・五腑:五臓が対応する腑…胆
肝と胆は経脈を通じて連絡しているため表裏関係にあります。「肝胆、相照らす」という言葉があるように、肝と胆は協調して消化機能を補助し、精神活動においては思索と決断に関与してます。
・五色:五臓が対応する色…青
・五季:五臓が属する季節…春(植物が芽を出す時期)
・五能:五行の基本的な性質…生(草木が芽吹き、動物は生まれる)
・五気:五臓が嫌う外気…風(春は風が強い)
・五方:自然界における方位…東(太陽が昇る方角)
見て取れる病態を診察する方法(望診)で肝の不調は青っぽい肌艶などで出やすいです。春に多いですが、春に限らず風の邪気(風邪)は一年通して出やすいです。春の気候変化は肝の生理・特性に影響が出やすく、ふるえ・めまいといった症候が起こりやすいです。こうしてみると、物事などの始まりがイメージ出来るのではないでしょうか。
・五音:五行に対応している音階…角(中間の音階。ミにあたる)
・五声:五臓が弱ったときの声の変化…呼(呼ぶ様な怒鳴り声)
・五臭:五臓が弱っているときに発する匂い…臊(脂臭い)
・五病:五臓が病んだときによくみられる病変…語(喋りたがる)
・五労:五臓が病む原因となる日常動作の過剰…久行(歩き過ぎ、ずっとし続ける)
・五脈:五臓に対応する脈…弦(糸がぴんと張ったような脈)
肝の不調が出ている人は弦脈で、呼ぶ様な怒鳴り声で、喋りたがる傾向が出ているようです。スポーツ選手が試合中声出しするのは、喋ることにより筋を緩ませることもありますね。しかし、歩き過ぎやずっと歩き続けることで筋肉に負担が掛かるため肝を傷つけることになります。
・五官:五臓の支配する感覚器…目(視覚を担う)
・五液:五臓が病んだときに現れる分泌液…涙(目から流れ出る)
「肝は目に開竅する」という言葉があるように、目は肝経を通じて血の滋養を受けているため、肝の機能が反映されます。また、涙は目を保護して潤す作用があるため、肝に属します。
・五体:五臓がつかさどる器官…筋
・五華:五臓の変調があらわれる部位…爪
筋は腱、靭帯、筋膜、筋組織などを指します。筋は肝に貯蔵された血(肝血)の滋養を受けることにより、正常な機能を発揮します。また、爪は「血余」と言われているくらい、肝血の充足度が現れることが多いです。
・五神:五臓が蓄える神気…魂(評価・判断などの精神活動を担う)
魂は精神活動を調節・制御する役割があり、思索・評価・判断に関係してます。わかりやすく言うと、順序立てて深く考えて進めていくこと、物事を見定めること、考えをまとめて定めることは肝が担ってます。
・五志:五臓変調の際の感情…怒
気血がスムーズに流れず気の働き(気機)が過剰になり、気が上昇すると怒りの情動が現れます。怒り過ぎると気血が頭に昇ったままになる為、気血の流れが滞ってしまいます。気血が滞ることで怒りっぽくなるという悪循環に陥ります。よって激しい怒りは肝を傷つけてしまいます。
・五味:五臓が変調したときに好む味…酸味(筋に行き渡る)
・五味の作用…収斂(引き締める作用)
・五畜:五臓を補う肉…鶏肉
・五菜:五臓を補う野菜…韮(にら)
・五果:五臓を補う果物…李(あんず)
・五穀:五臓を補う穀物…麦
酸味は肝を栄養します。筋に行き渡るので、筋緊張やストレスなどを紛らわせるのに適してます。ここ数年のコロナ禍で溜まっているストレスをレモンサワーなどで気を紛らわせるのも関係ありそうですね。レモン🍋に限らず酸っぱいものであれば他には梅干しなどでもOKですよ。

関連する奇恒の腑
女子胞(女性の子宮)、精室(男性の生殖器官)と関連します。女子胞は肝腎および衝脈・任脈・督脈と密接に関係にあり、月経と妊娠・出産を統率し管理しています。また、精室も女子胞と同じく肝腎および衝脈・任脈・督脈と密接に関係にあり、精液の貯蔵と排泄を統率し管理しています。
