病気になったら病院へ、

病気になりたくなければ是非鍼灸を。


群馬県前橋市を拠点に出張専門鍼灸を開業している、

ささき ひでかず

(本名・佐々木秀和)

です。

 東洋医学の考え方

 今回は人と自然の統一性、心と身体および人体と自然は一体となっている考え方を取り上げます。その考え方には天地一元論、天人合一思想、心身一如があります。

  天地一元論

 天地一元論とは身体と天地は一体化しているという理論です。暖かい空気は上方へ向かい、冷たい空気は下方へ向かうのと同様に上半身は火照りやすく下半身は冷えやすいといったように自然界で起こる現象と人の症状と病気などが同じ法則性を持っていると考え、東洋医学での診断や治療に応用しています。



  天人合一思想

 天人合一思想とは人体の形と機能が天地自然に相応しているとみる考え方です。人体の様々な生命現象は天と地の間の自然現象の一環であると考えられています。


地に九州あり人に九竅あり九州とは日本の九州地方ではなく大陸のことで、九竅とは人体にある9つの孔のことで、眼、耳、鼻、口、前陰、後陰のことである。

天に風雨あり人に喜怒あり喜怒哀楽を自然界の気象になぞらえた。

天に雷電あり人に音声あり自然界の音と人間の声と関連づけた。

天に日月あり人に両目あり太陽と月があるように、人間には両目がある。

天に四時あり人に四肢あり四時は四季のことをさす。

天に五音あり人に五蔵あり五音は5つの音階のことで、五蔵は五臓のことである。



  心身一如

 心身一如とは心と身体は一体となっている考え方です。脳と腸の関係性から述べることが出来ます。

 最近、心身一如の科学的正当性が脳と腸の関係から少しずつ明らかになってきました。具体的に言うと、昔は脳が心身全てを支配していると考えられてきました。1980年代に腸は脳から指令を受けなくとも免疫やホルモン分泌などで調節できる神経細胞ネットワークを持っていることをガーション氏は著書『セカンドブレイン』で述べてます。腸は第二の脳という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。腸は第二の脳として一躍注目を浴びました。

 その一方で、脳と腸は密接なつながりを持っていることが医学的にも注目されてます。私も該当していることが多いですが、脳が強いストレスを受けると胃痛や下痢を引き起こします。また、腸内環境の乱れが脳の機能に影響します。

 そもそも動物の共通祖先は腔腸動物です。進化の過程で神経が発達し、脊髄や脳が形成されました。腸から分化発達したことを考えると心身一如の考えがお分かりいただけると思います。



 これらの考え方に基づき東洋医学では病気を診るのではなく人を診ます。自然環境なども視野に入れて鍼灸治療に心掛けようと改めて思いました。