こんなときにすべきことは何? | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

 

これは自分に対しての問いかけだ。

毎日この2ヵ月間ほど考え続けているが、あまり良い答えはない。

 

予想もしなかった新型コロナウイルスの感染拡大という、世界規模の疫病による危機というものに直面して、それぞれの個人も、企業も、国家も、どうすべきかそれぞれの立場で考え、そして右往左往しながらもどうにかその危機を乗り越えようと足掻いている。

 

日本という島国にとって、このような疫病の蔓延は舵取りを間違うと命取りになるが、政府が正しく対処し、国民が正しく行動すれば、少なくともこの国の中だけは危機を回避出来る。

 

しかも、驚くことに都道府県別に見ると感染者の数は現状ではまだ相当差があるだけでなく、島根、鳥取、岩手などはまだ見つかっている感染者はゼロだ。

 

このような状況下で、極めて利己的な判断をするとすれば、都道府県単位で人出入りを管理し、検疫体制を敷くべきだろう。もしかすると市町村単位でもやるべきかもしれない。

 

東京都や大阪府のように感染ルート不明の感染者が大量に出始めると、それを片っ端から隔離したところで感染拡大を抑えるのは難しい。

 

ましてや、昨日発出された緊急事態宣言の内容では、対象となっている7都道府県においてもロックダウンは行われず、今日の時点でも人がけはまばらになったとはいえ東京でも大阪でもまだ人は動いている。

 

島根県のように今のところ感染者がゼロの地域でこそ、早い時点で県境の封鎖を行って出入りに関して厳しい検疫を設ければ、このまま感染者ゼロの安全地帯を作ることが可能だ。

 

徳島、香川、鹿児島など、まだ感染者が5人に満たない地域も、外部からの流入者に徹底した検疫を課せばまだ聖域化が可能なのではないかと思われる。

 

結局、ヨーロッパで爆発的に感染が広がってしまったのは、国同士が陸続きでかつ、国を跨いだ移動というものが日本で言えば国内の移動と同じような感覚で行われていたからに違いない。

 

もちろん、生活習慣の差など環境の違いはあれ、イタリアやスペインでの感染者と死亡者の数は、日本の数字と比較すると膨大すぎて同じウイルスに起因するものだとは信じられないほどだ。

 

早い時点で検疫による境界線を作ってしまうことが感染拡大を防止し、自分の地域をウイルスから守るためには優先されるべき事だというのは既に成功している国の例に学ぶところが大きいと思う。

 

台湾、香港、マカオ、シンガポールなどは感染拡大の封じ込めに成功している良い事例だろう。

 

今日発生源である中国湖北省武漢のロックダウンが解除されたが、新規感染者ゼロを実現した南京の

の新型コロナウイルス感染対策を紹介したドキュメンタリー動画「緊急ルポ 新規感染者ゼロの街 新型コロナ封じ込め徹底する中国・南京を歩く」が海外でも大きな反響を呼んでいるように、中国の防疫政策に学ぶところは残念ながら大きい。

 

聞くところによると、世界の工場であり生産物の流通拠点であるハイテクシティー広東省シンセン市は、完全に安全な街として復活しているようだ。

 

国単位や、都道府県単位でどうすべきかについて、我々市民は批判することはできても方針や政策を決定して進める権限はないので政府に任せるしかない。

 

もしそれが十分でないとしたら、批判をしたところで何も変わらないので、自分で自分の居所に境界を張るしかない。

 

自分や自分の家族が感染を回避する為には、家からなるべく出ないしか方法は無い。

 

これは、政府が緊急事態宣言を出そうが出すまいが、利己的な安全確保のためには変わらぬ事実であるように思う。

 

日本の状況でトリッキーな部分は、政府は強制力のない緊急事態宣言を発出することによって、本来個人が自己防御の為に利己的に取るべき行動を、首相が国を守るための善意を国民に要請するといった形で推進しているところだろう。

 

人間のモラル度合いは相当個人差があるが、中国人やアメリカ人のような大陸的なものの考え方と比較すれば、島国思想の日本人は総じて協調性が高く、自己犠牲の精神に富んでいる為、政府によるある種のウエットな扇動に動かされやすい。

 

それが分かっていて、国民の自主性に委ねるという政府の方針はよく練られていて実に巧妙だ。

 

別の言い方をすれば、日本人は批判に弱い人種なので、収入が途絶えても我慢して家に居るひとたちがいる一方で、収入が途絶えたら生きていけないからといって仕事を続ける人や、引きこもりに我慢できずに外に出て三密を犯す若者などに対して強烈な批判がいくことになる。

 

そうやって仕方なく、或いは我慢できずに動き回る人たちが居る限り、感染の拡大は止めようがない。

政府はそれが分かっていて強制しない。

 

緊急事態宣言の発出からまだ一日しか経ってはいないが、このままではおそらく1ヶ月程度では感染の拡大は収まらない可能性が高い。

 

そして、その責任は政府の要請に準じなかった経済的弱者に向けられることになる。

 

もし、最も利己的な個人の行動が批判の対象となるべきならば、働かなくてもよい富裕層が、自分だけ安全な場所に引きこもる行為が本来批判の対象となるべきなのかもしれないが、今回に関しては誰もが等しく本能に従ってひきこもることがウイルスとの戦いにおいては正しい行いなので、その行為が批判される要素は見当たらない。

 

ただ、越境による東京都の人が軽井沢に感染を避けて疎開するような行為は既に批判の対象となっているとおり、他県の安全を脅かす行為なので止めてもらいたい。

 

このやり方だと、政府は低・中所得者を比較的軽い財政負担で引きこもりに追い込むことが可能となる。

もしくは、そのような低・中所得者が経済的不安から自粛要請に応じなかった為、感染拡大が止められなかった場合にも、国や国民が被る被害の責任を、そういうアウトローの責任に転嫁できるというメリットもある。

 

そんな中、働いて収入を得なければ生きていけなくなる我々は、いったい何をすべきなのだろう?

経済的な不安は、悩んでいても、不満を言っても解決することはない。

 

まず第1に、国や会社が決めなくても、また保障があろうがなかろうが、この状況下では自宅に引きこもってなるべく外出しないという最低限の自己防御は譲れない。

 

「国や会社が何も補償してくれないのに、自主的に収入源をギブアップするなんてバカげている」と思うかもしれないが、この状況下ではそれしか既に選択肢はないように思われる。

 

ただ、銀行にあるお金は全部引き出してしまうことをお勧めする。

あなたがもらえるかどうか分からない補助金や経済的支援の原資となる増刷される国債の担保はあなた方の預金なのだから。

 

もし論理的に預金封鎖がないのであれば、国民が預金を100兆円くらい引き出したとしても国も財政は何ともないはずだが、それを実験してみるのも悪くない。

 

あなたがこっそりATMで預金を下ろす行為は(どうせわからないので)批判の対象にはならないが、あなたが収入維持の為に頑張って店を開ける行為や仕事にいく為に外出する前向きな経済行為は批判の対象になる。

 

但し、クレジットカードの決済銀行にはお金を置いておいた方が良いだろう。

ペイペイなどセブンイレブンで現金で50万円までチャージできるので、キャッシュレスの支払い手段を確保しておくことも重要だ。

 

銀行の預金引き出しは、弱者が金融機関や政府にたいして唯一可能で許された批判行為なのだ。

銀行も、無利子無担保で生活資金をすぐにでも融資してくれるのであれば役に立つが、そうでなければ何の役にも立たない。

そんな銀行を自分の預けた金で儲けさせておく余裕はないはずだ。

 

現金を抱いて、自宅に引きこもり、無収入で生きれるだけ生きて行く。

無収入や明らかな収入の減少を明らかな形で成り立たせなければ、政府の補助金の対象にすらならない。

中途半端に頑張らず、割り切ってゼロ収入になることで補助の対象になる可能性は高くなるだろう。

 

そして、国や会社に頼らずに収入を得ていけるビジネスを何か探すしかない。

 

何れにしても国が個人の経済的損失を補償してくれる保証はない。

 

年金も、健康保険も、銀行の預金保証も同じ事だ。

 

それでも、いまいちばんすべきことは、動かないことかもしれない。

 

新型コロナウイルスの危機に直面している人類が同じ生物として生き残る為にできることは、立ち止まって考えること、人生の新たな価値観を見いだすことしかないのかもしれない。

 

投資に関しても、ハイリスクな株式市場やFXで遊んでるような状況では無い。

ピンチはチャンスと言うが、今暫くは動かず、引きこもり、学んで、考えることに集中すべき時だろう。