ビクターバレーの開発状況(ランドバンキング) | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!


ランドバンキング(Land Banking)というのは、一般用語として「未開発の土地に投資して長期的なキャピタルゲインを狙う投資手法」という意味で普及してきたが、私がランドバンキングとして唯一認めているのは、ファンド型でも権利分割型でもない、直接自分の名義で土地を所有するタイプのものだ。

別にキャッシュでもローンでも構わないが、その土地がある国の政府が権利書のような形で所有権を保障してくれていることも重要だ。


米国で言えば、GRANT DEEDがそれにあたる。


私は、所有権が投資家個人に帰属しないものについては一切興味がないし、それを同じように「ランドバンキング」と呼ぶことには違和感を感じる。


そして、私が過去に出会ったランドバンキングの案件で、私が望む条件を満たしているものは、プロフェッショナルランドという会社が提供しているカリフォルニア州の未開発地を購入するものだけだった。


昨年(2013年)は2度にわたり、米国カリフォルニア州のプロフェッショナルランド社および、プロフェッショナルランド社が主に紹介している同じくカリフォルニア州ビクターバレーの土地を視察する機会があったので、その開発状況をアップデートしておきたいと思う。


いつもアテンドをしてくれるプロフェッショナルランド社(Professional Land Corporation)については、現在日本語のページもアップされているのでご覧いただきたい。

http://www.proland.com/index-jp.htm


さて、私がこのカリフォルニア州ビクターバレーのアデラント市にあるSCLA(Southern California Logistic Airport)周辺の土地を購入してから既に5年が経過しているが、今のところ私が購入している土地には何の変化も特に起こっていない。


いわゆる砂漠を購入した訳だが、未だに写真のような砂漠のままだ。


上記の写真のエリアは、SCLA(空港)北部のADD(Airport Development District)にあたる。


この写真は南側から北を撮ったものだが、南側にはすぐ空港が見える一等地だ。


しかし、残念ながら空港の北側には目立った変化はない。


ビクターバレー(Victor Valley)というのはこのエリアの総称であり、細かくは南側から、ヘスぺリア(Hesperia)、ビクタービル(Victorville)、アップルバレー(Apple Valley)、アデラント(Adelanto)という4つの市で成り立っている。


さらにラスベガスに向けて北部には、ブランドアウトレットモール発祥の地として有名なバースト―(Barstow)がある。


この地域全体を、「インランド・エンパイア」や「ハイ・デザート」と呼んだり、「ビクターバレー」と総称することもある。


私が保有している、Southern California Logostic Airport(SCLA)に隣接するADD(Airport Development District)という空港特別開発地域という特殊なゾーニングをもつ一等地は、アデラント市に属し、空港(SCLA)自体はビクタービル市の管轄となっている。


「ビクターバレー」の中でも、ビクタービル市は人口10万人を超える都市であり、続いてヘスぺリア、アップルバレーが10万人に近づいており、アデラントは3万人程度と間を空けて続き、合計すれば35万人が住む砂漠(High Desert)である。


ビクターバレーについてはウィキが良い説明をしてくれているのでそれを参照してほしい。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%BC

現実的にこのエリアの開発は、今後、サンバーナディーノ山脈の北側にカリフォルニア州の人口拡張がどのように進んでいくかという部分にかかっていると言える。


人口が増加し2040年には4千万人にも達すると予想されるカリフォルニア州において、都市開発の地理的な方向性は明確であり、LAからネバダ州のベガスに向けて15号線沿いにしか都市が拡張する可能性が見当たらない。


つまり、ビクターバレーにしか人口の流入する余地が残されていないということだ。


既に、オンタリオからサンバーナディーノ山脈を越える15号線は交通量がかなり多くなっており、道路の拡張工事が進められている。


ビクターバレーには、現在のところ比較的安価(日本円で2~3千万円程度)で購入できる一戸建て物件が多く存在し、LAダウンタウンからの低・中所得者の流入者が増えているが、全体的には未開発の砂漠が多く存在する。


しかしながら、ビクターバレーが既に35万人もの人口を擁するエリアことを考えると、未だ砂漠の外観を呈しながらも、もはや未開拓とは言えなくなってきていることは事実である。


この1年の間に於いても、ビクタービルとアップルバレーの開発は目覚ましいものがある。


2009年~2011年は、サブプライムショックの余波によりカリフォルニアの経済もかなり打撃を受け、ビクターバレー開発も予定よりは2~3年遅れた感があるものの、2012年~2013年と住宅需要は回復し、昨年には停滞していた新規の住宅開発もかなり進んだ。


サンバーナーディーノ山脈より手前(南側)のオンタリオやランチョククモンガといった既に開発されたエリアにある一戸建て住宅の値段は、サブプライム以前の価格に戻りつつあり、中流階級にとっても手の出せない価格帯となっている。


それに伴って、ビクターバレーの受託需要は増加するほかなく、特にヘスぺリア、アップルバレー、ビクタービルの住宅や、ショッピングモールなど、人口の増加に伴う開発が順調に進んでいる。




しかし、この状況は、未だ通常の経済復興過程と純粋な統計上の人口増を反映した、自然な流れの域を出ず、本格的なインランドエンパイアの開発は、やはりSCLA(Southern California Logistic Airport)の物流拠点としての本格稼働や、計画されているビクタービル⇔ラスベガス間の高速鉄道(デザートエクスプレス)の開発、新しい国道(E220)の開発などが動き出さなければならないと思われる。




残念ながら、現在のところ空港(SCLA)そのものが、カリフォルニア州の主要物流拠点として動き出す為に必要とされるオートメーション化された通関施設や、ウォーレンバフェットが買収している鉄道会社(BNSF)の路線引き込みなど、空港関連の施設の開発に目立った動きはないが、その理由としては、予算とLAXとオンタリオのキャパシティーが拡張されてキャパが足りているとされているところなどが挙げられる。

SCLAの開発計画については以下SCLAのHPで詳細を知ることが可能だ。

http://www.logisticsairport.com/page.aspx


元は空軍基地であったSCLAは、スターリングキャピタル社が買収して以来、民間空港として多数の旅客機のメンテナンスを行っており、昨年の8月には、ボーイング社とビクタービル市の間で新たにSCLAにおけるボーイング社の地上での機体メンテナンス業務拡大に関する合意書が取り交わされている。





鳴り物入りで開発計画が進んでいる歴史上米国初となる高速鉄道(デザートエクスプレス)については、エクスプレスウエストのHPを参照願いたい。

http://www.xpresswest.com/


現実的には、私が保有している土地に対して、デベロッパーから買収オファーが来るにはまだ時間がかかりそうである。


私自身は、実際に5倍以上、できれば10倍近い値段での出口を迎えるためにはあと5年くらいは何も考えずに待つつもりだ。


自分にとっては、このエリアの開発の方向性が確実であり、土地の権利が私個人に帰属していることが重要であり、出口までの間に土地の価値を確認できる相場や取引の実績などの数字はあまり気になることではない。


都市開発が一定のレベルまで進まなければ、土地の値段はさほど上がらないが、逆に価値が下がることもないからだ。


既に為替は円安トレンドに転じてしまったので、これから土地を購入する日本人には以前より割高となってしまうが、1000万~1億円くらいの価格で、1エーカーから20エーカーくらいの砂漠の土地をポートフォリオの一部として買っておくのは今からでも悪くないかも?