浜 矩子さんの著書、「通貨を知れば世界が読める」という本を読んだ人から、海外投資をUSドルでしていて大丈夫でしょうか?と質問が来ています。
この本の副題には
“1ドル50円時代”は何をもたらすのか?・・・とある。
「1ドル50円」という「まさか」は必ず起こる・・・
ドルの覇権が終わり、次世代の基軸通貨は日本円になる?という論旨が展開されている。
たしかに基軸通貨を巡る国家の興亡という通貨変遷の歴史については勉強になる部分が多いが、お金を出して買ってまで読むべき本ではないように思われます。
こういった論旨を展開する意図がいったいどこにあるのか疑問です。
円は今後もっと円高になり、世界の基軸通貨は円になるから、日本で円を持っとくのがいいということになってしまいます。
震災後の傷ついた瀕死の日本経済を救うためにはその資金が必要だというのはわかりますが、デフォルトした責任はとれるのでしょうか?
先日述べた「8月2日にアメリカがデフォルトする」という話に怯える人たちと似ていますが、このような本を読んだ人も怖くて海外投資などできなくなるでしょう。
これからどんどん円高になっていき、1ドルが50円になったら、日本の収入からドル建てのオフショア積み立てプランにクレジットカードで支払っている人にとっては朗報です。
今までUS1000ドルの積み立てに対して、82,000円を払っていた人は、50,000円しか払わなくてよくなります。
収入がそのままであれば、日本円での購買力が増すので、日本で日本円で収入を得ている日本人にとってはありがたいことです。
逆に、この数年の間に日本がデフォルトしてしまった場合、日本で収入そのものが得られなくなるかもしれませんし、日本円で持っていた日本円の資産は紙切れになってしまい、積み立ては支払っていけなくなる可能性があります。
私としてはそちらのほうがよっぽど心配です。