新人子ちゃん「あの・・・えっと・・・」
何かしら、電話で困っている様子の新人子ちゃん。
彼女とは仕事はまったく接点もなく、客先も工場その他これっぽちも接点は
無いのですが
何かわからない電話がきたら、私に回してといっているので、
新人子ちゃん「少々お待ち下さい。さりこさ~ん」
微笑んで軽く手をあげて、電話をまわしてもらいました。
?さん「どうも。お世話になってます」
私「(この声は!)おはようございます。大変お世話になっております。」
?さん「Hです。あのさ、○△株式会社ってわかる?」
私「○△、ですか」
H氏「そう。キミの担当の製品によく似たものを納めているらしくてね」
私「どのような字を書かれるのでしょう?その社名、屋号は・・・」
H氏「○は数字のXX、△はXXだよ。どうやらあの製品を作っているようなんだ」
私「確かに、あの製品は私の担当のAとBに納めておりますが、○△、という名前に
覚えはありません。私の担当とAとBと関係はないようです」
H氏「そうか。時間とらせたね。ありがとう」
私「はい。失礼致します」
失礼致します、の声に
いつまでもお元気で頑張ってくださいね!の想いを
心からこめました。
電話の相手は、わが社の工場の影の大ボス役員でした。
世界中のありとあらゆるいろいろな下請けとか部品とか
この大ボスが全部取り仕切っていました。
入社当時、右も左もなーんにもわからないワタクシ。
怖いものナシです。
この大ボスがまだボスだったころ電話にて・・・
工場担当「だからできないって」
私「できないじゃないんですよ!どうしたら出来るか聞いてるんです!」
担当「だから、こんな日にちじゃ・・・」
私「そんなのわかってます!」
担当「あーーーもう、なんだこの娘!ちょっと待ってろよ!」
H氏「おう。なんだ、なんかやりあってんな」
私「出来ないとかそんなことを聞く為に電話してません!」
H氏「言うなお前。じゃぁなんで情報をもっと早く手に入れない?」
私「情報が来たのは3分前です!だからすぐにこうやって話しています!」
H氏「客先に何て言った?」
私「どうしてこんなに情報遅いんですか?等、こちらの状況だって言いましたよ!」
H氏「わーわーうるせぇな。あなたねぇ、このオーダーがどれだけヒドイかわかってんか?」
私「説教も査定もあとでうけます!今はそういうことじゃないんです!」
H氏「・・・わかったわかった。あー、もう一度電話するわ」
・・・その後、30分間に4工場全部の予定にむりやり私の御願いをねじ込んでくれました。
各所からあがる文句を、ヘビのひと睨みで黙らせてくれたそうです。
まだ、本当に入社2ヶ月目。中途なんで試験期間中(笑)、客先の名前さえうろ覚え(笑)
「明日からこなくていいよ」って言われてもおかしくない、
そんな状態で入りたてのガキと工場で一番偉い人がぎゃーすかやりあったのは
後々工場でちょっとした話題になったみたいです(^^;
その後、新幹線を乗り継いで行く遠い遠い本社に出張の機会があり
コムスメだった私はご挨拶にいきました。
そこでも、ぎゃーすかやりあったり。
本社営業本部の影の大ボスが右に(どこから見ても893です)
左側にこの影の大ボス(どこから見てもゴクドーです)
どうして皆近寄ってこないのか、その頃はわかりませんでした。
後々、先輩から
「さりこちゃん、あの二人はこっちでは”H氏組””営ボス組”って言うくらいコワイだよ」
と教えてもらいました(笑)
そのお二人がまだ現場近くにいらした数年前・・・。
営ボス「あぁ”ん?」
H氏「なにいってんだ?あぁ”?」
担当「ばっかやろー!!!テメェ!!」
私「これが精一杯です!もう引けません!」
H氏「・・・おい、担当。あっちに電話しろ。やらせる」
担当「は・はいーーー!!???!」
私「ありがとうございます!!」
営ボス「次は受けないぞ」
・・・仕事にも工場にも覇気が満ち溢れていて
すっごく楽しかったな・・・
そんな担当も数年前。
「怒鳴ったりして悪かったな。オレ口悪いから・・・。元気でやるんだぞ」
そんな営ボスもつい半年前。
「長いこと居座って悪かったね。これからはゆっくり旅行でもして過ごすよ」
もうしばらくしたら、H氏も・・・。
少しだけ懐かしい声を聞いて、ちょっと昔の全体的にがんばってた頃を
思い出して切なくなりました。
今だって、仕事は楽しいです。
部長はデリカシーがちょっと足りないときどきセクハラ野郎ですが(←
仕事はものすごく頭も回るし改革的なので尊敬しています。
よしっ!今日も一日いい日だ!
シゴトシロ(笑)私~