三郷市彦糸中学校3年生の生徒さんに、
「いのちの授業」を届けてきました。
この学校とのご縁は今年で5年目。
「卒業していく生徒さんたちへ授業をプレゼントしたい」と、
うれしすぎるお声かけいただいたのがきっかけです。
いのちの始まりから、お腹の中で頑張っていたこと、生まれるときに発揮したいのちの力…。誰もが持っている生得的な命の力についてのお話。
中には、家族の事情でつらい経験をしている生徒さんもいる。
虐待を受けた生徒さんがいるかもしれない。
でもどの命も、
生まれてきただけで周りを幸せな気持ちにしてくれたということ。
多くの人に支えられて、
たくさん愛された歴史があるから今があること。
親も完璧な人間ではなく
日々悩み迷いながら子育てをしているということ…。
事前に先生とお話しているときに
「自分のことが好きではない生徒が多いんです」とお聞きしました。
もっと背が高かったら、
もっと可愛かったら、
もっと頭がよかったら、
そんなふうに自分に自信が持てない時期が思春期なのかもしれません。
私自身も、中高生のころはコンプレックスの塊でした。
でも大人になった今、心の底からこう思います。
背が高いからステキなのではなく、
かわいいから愛されるのでもなく、
頭がいいから可能性があるのでもなく、
生きているだけで、充分すごいことなんだと。
ありのままで、愛される価値はあるんだと。
特に
10代はキラキラの可能性に満ちていて、
未来はいくらでも変えることができる。
「素敵だな、こんな大人になりたいな」
そう思える大人とたくさん出会ってほしい…と。
授業の後半で、生徒さんたちにそう伝えました。
どう思ってくれているか不安もあったけれど
感想文を見て、感動で胸がいっぱい。
欄外にはみ出して書いてくれている子、
裏にまで書いてくれている子…。
生徒さんが感想を書いている間、先生があえて席をはずして
書くことに集中できる環境を作ってくださったことにも感謝…。
「私は、今の私があまり好きではありません。勉強もいまいちで中途半端になって、何かに対し熱くはなれない自分が好きではありません。親に反抗してしまうこともあるし、話さないときもあります。今日の授業を聞いて、親に感謝しなければなと思いました。まだ謝ることはできません。でも感謝はします。本当はもっとたくさん書きたいことがあります。でも胸がいっぱいでうまく言葉が出てこないのでこのへんにします」
「いのちって素晴らしいものだと初めて思いました。素晴らしいという一言では足りないけれど、命は尊いものなのだと思いました。話しを聞いた刺激で、思わず泣いてしまいました。私は、もっとこう生まれてくればよかったのにと思うことがたくさんあったけれど、ありのままの自分を出せることがこんなに素晴らしいのだと知りました」
「私は時々、自分はどうして生きているのか、何のために今生きているのか、自分という存在はこの世の中で必要なのか、自分は何者なのかと考えたりすることがありました。しかし、今は理由を考えないで生きていこうと思います」
「生きていることで、自分の周り人を幸せにできるいのちは素晴らしいと感じました。親からもらった愛を、次は自分たちが形にしていくのだろうと考えると、自分の体を大切にしなくてはいけないと今回の授業で学びました。最近のニュースで、亡くなった子の親や周りの人はどんな気持ちなのかと考えると胸が痛みます。誰からも愛されない人はいないということを忘れずに、自分や周りに人を大切にしようと思いました」
「今回お話をきいて一番驚いたことは、赤ちゃんに声をかけたり笑いかけないと死んでしまうということです。だから私は、小さいころにちゃんと愛されていたんだとわかりました。親に感謝の気持ちでいっぱいになりました。最近、親への感謝を忘れかけていたので、気づけて良かったです」
「私はたったの15年しか生きていないけれど、その中でいろいろなことを経験してきました。嫌なことがたくさんあったけれど、たくさんのキセキが集まって生まれてこれたと知ったので、どうせなら美しい人生にしたいと思いました。得意なものなんて何もないし、たまに自分が嫌いになるけれど、そんな自分もよいかなと今なら思うことができます。こんなことを考える機会などあまりないので、良いきっかけをありがとうございました。『私は自分が好きだ』と思える人になりたいです。今日学んだことは忘れません」
「今日の授業で、本当にいのちは大切なんだ!と感じることができました。今まで、自分のことを素直に好きだと思ったことがありません。しかし、今日の赤ちゃんが生まれる様子や自分の体について知って、自分は周りの人に支えられて生きているとても恵まれた存在なんだと思いました。『いのちが誕生する』ということは、家族や周りの人が笑顔になって幸せな気持ちになることができる、ということだと思います。今まで、家族や先生、友達から与えられた愛を、今度は自分が周りの人にあげられるように、いつも感謝を忘れず生きていきたいです」
「私は今日、初めて自分を好きになれました。授業を受ける前、私は何もできない自分がとても嫌いでした。なんであの子はかわいいのに自分はブサイクなんだろうって、毎日毎日思っていました。私がいなくなっても誰も悲しまないだろうと思っていました。しかし、今は幸せな気持ちでいっぱいです。私が生まれた時、ママはどんな顔をしてくれたんだろう…。きっと優しい顔で私を見つめてくれたんだと思います。私はそんなよい親から生まれて幸せです」
「直井先生の声のトーンから、『男子たる者、女子をもっと気遣え!性に関して無関心になるな!』といった気迫のようなものが感じられました。男子には生理痛のような痛みはわかりません。想像しろと言われてもむつかしいです。だから、体調が悪そうな女子がいたらいたわってあげようと思いました。『愛と恋』の違いの話は、さだまさしさんの『恋愛症候群』でも歌われているとおり、どうやら愛というものは恋の次の形態のようです。愛おしい人その人のために人生のすべてを捧げられるか自信がありませんが、愛せるように力を尽くしたいです」
90人の生徒さんたちのいろんな思いがぎっしりと書かれていて、涙がにじみます。
どの生徒さんの感想文も、素晴らしすぎる感性…。
先生方から「卒業前のプレゼント」の今日の授業。
これからの人生の中で、思い出してもらえたらうれしいです。
彦糸中学校の、
桧垣校長、渋谷先生、柳田先生、ありがとうございました。
卒業していく生徒さんたちの未来が
輝き続けることを願っています。