クリスマス直前の22日夜、荒川商業高等学校定時制の生徒さんへ「いのちと性」のお話を届けてきました。




とってもかわいい、養護教諭の阿部先生。


社会に出ている生徒さんや、傷ついた過去がある人もいる定時制の生徒さんたち。中には性行動が身近な生徒さんも多い。そのため避妊知識を確認するクイズからスタート。答え合わせをしながら授業を進めます。


そして後半は「家族」「いのち」のお話。私が一番伝えたかったのはここ。


全員が母親のおなかの中で育ち、生まれてきたときはだっこしてもらっていた。少なくとも歩き始めるまでの期間は、必ず「抱っこ」されながら育った。 たったひとりの例外もなく。「名前」を付けてもらったときは、「幸せになるように」「健康に育ってほしい」「愛されるように」など、いろんな願いを込めて もらっていた。生まれてきたときに、周りの大人は幸せな未来を願ってくれていた…ということ。


今は家族が離れて暮らしている生徒さんや、大人から傷つけられた体験をしている生徒さんもいるかもしれない。でも、赤ちゃん時代は「大切に守られ、愛された」歴史を持っているのだということ…。


どんなことがあっても自分の一番の味方は自分。自分を好きでい続ける生き方をしてほしい…。


日本では、毎日45人の10代の女の子が妊娠中絶をしているという悲しい現実。「中絶をしたい」と妊娠する女性はいません。妊娠中絶は避妊の失敗の悲しい結果。いのちのはじまりは、「よかった」「うれしい」という笑顔で迎えてほしい。




どこまで伝わったかはわからないけれど、自分の伝えられるすべての力を出して本気で臨みました。


生徒さんの感想文の一部から。


「私の親友も先月赤ちゃんをおろしました。エコー写真を見たら、まだ人間の形をしていなかったけれど、命があるんだと思いました」


「避妊についていろいろと知らないことが多くて勉強になりました。。情熱的に話してくれて耳に残りました。さすがは助産師だと思いました」


「命の大切さを知った。私にも誰かしら味方がいるのかもなって、そう思ったらうれしくなった」


「コンドームは100%妊娠しないと思っていたのは間違いだった」


「生まれてよかったと思うこともあれば、生まれなければよかったと思うこともある。でも、生まれてよかった」


「先生の意見は、未来の不安を抱えている私にはとても参考になりました。残念だったことは周りがうるさかったことです」


「軽い気持ちでそういうことをするのではなく、いろいろ考えてからにしよう」


それぞれの生徒さんの心で「大切な何か」を感じてくれていますように。


がやがやしていた生徒さんもいたけれど、聞いてくれていた生徒さんがほとんどだったと信じています。ただ、講演中に先生方が大きな声でおしゃべりを続けていたのは残念だったな~というのが本音ですが。


これから社会に出たら2度と学ぶ機会のない「性」のお話。そして、誰もが生まれてきたときにたくさん抱っこされた歴史があることは忘れないでいてほしいのです。生徒さんたちの幸せな未来を願っています。