不動産の俗語『一物四価』が大ウソってホント? | 札幌の不動産屋の言いたい放題

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不動産の価格は、どのように決まっているか、というのは非常に面白い話です。
別館の方で、マンションの価格査定のお話をしましたが、
こちらでは『土地』の価格にはどんな性質があるか、というお話をしましょう。


土地には『一物四価』(いちぶつよんか)などといって、複数の価格があるとされています。
それは『公示価格』『実勢価格(時価)』『路線価』『固定資産税評価額』の4つです。

しかし、『路線価』は概ね公示価格の8割
『固定資産税評価額』は概ね公示価格の7割と、
『公示価格』を基準として算定されているという実態があります。
『実勢価格(時価)』は実際に取引が成立した価格ですが、
これも不動産業者が『公示価格』や『路線価』を基礎に算定しています。

つまり、『公示価格』が最も大きな地位を占めているといって良いでしょう。

『公示価格』は国土交通省が不動産鑑定士2名の鑑定評価を元に、公示するものです。
(公示価格はすべての土地にある訳ではなく、『基準地』という特定の土地のみ公示されます。)
不動産鑑定士の鑑定評価には、不動産市場における『実勢価格』が影響しますから、
『公示価格』→『実勢価格』→『公示価格』→『実勢価格』→…という、
入れ子的な構造がある、という特徴は面白い話ですね。

何より、『路線価』と『固定資産税評価額』は、税金を計算するための、
基準となるだけの金額
であって、それを『価格』と表現するのは、差し障りがあります。
つまり、不動産『流通』の問題と不動産『課税』の問題を混同しているのです。

『一物四価』の正体というのはこういったお話であって、
これって給与を例にとって極端なたとえ話をするなら、
   『額面総支給額』『手取り額』『所得額』『課税対象額』の4つの数字があるよ
なーんて話で、エラソーに『一物四価』なんて言ってますが、そんなことは全然ないのです。
(更にざっくり言ってしまえば”年商”と”年収”そして"所得"と同じようなお話ですね。)

『一物四価』は不動産関係のテキストなどでも広く使われている俗語ですが、
不動産鑑定士センセイの文章では、これを一物三価と表記している場合が多いようです。

・・・と、言うのは、不動産鑑定士の算出した鑑定価格≒公示価格こそが、
適正な『実勢価格(時価)』なのだという職業上のプライドによるものなのかもしれませんね。

ただし、公示価格は綺麗な形の土地をじっくり売った場合の『正常な価格』であって、
公示価格よりも高く売れる事もあれば、安く売れる事もある、
それが不動産の面白さであり、資本主義の市場原理の醍醐味なのです。
 

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