【読書】「オオルリ流星群」 | 天文学者、乳がんになる

天文学者、乳がんになる

乳がんライフと天文学、ときどき科学教育

 

 

 

また間があいてしまいました。

 

単行本(サイン入りも含めて2冊)も買ったのだけれど、文庫化されたのでまた買いました。舞台が私が中学から高校を過ごした秦野で、国立天文台に勤めていた女性研究者「彗子」が主要登場人物。買っちゃうよね、何度でも。

 

ストーリーも面白いけれど、いろいろ考えさせられることも多かった。ちょっとどこかで道が違っていたら彗子になっていたかもしれないとも思うけれど、実際はたぶん彗子の方がずっと優秀だし真面目。私はきっと、もし途中で道が途切れていたら、別の道に進んでいて、天文台を作ろうなんてきっと思わなかったでしょうね。架空の人物なのに、何か申し訳ない気持ちにもなる。正直なところ私は周りにいる人たちと比べてそれほど出来の良い方ではなかったし、将来天文学者に絶対なるときめていたわけでもない。紆余曲折はあったものの大学に就職できて今も研究者でいられるのは周囲のサポートと運の良さにかなり助けられてきたから。私が幸運だった分は」誰か(たぶん若い人たち)に返していけるといいなと思います。

 

画像はさんかく座の銀河M33。この論文出版は2011年だからずいぶん経ったかも。出版されたのは今の大学に来た後ですが、観測をしていたのは定職を捨てるという人生の大きな選択をした2度目のポスドク時代でした。その選択の結果が今の私です。