撮る幸せも 見る幸せも。
一枚の写真で生き方も変わる。
PhotoWin 福田沙織です。
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今日もブログを読んでくれてありがとうございます。
あっという間に5月!
4月の初めに桜の話題でブログをアップしてあっという間に1か月かー!
4月から、なぜか読書スピードダウン。
とうてい年間50冊はいかないペースだなぁ!
ぼちぼちやります^^;
読書日記
森 絵都 「カラフル」 文春文庫
前回の「風に舞うビニールシート」に続く、森絵都作品。
タイトルとカバーにひかれて購入。
読んでよかった!!
毎回この読書日記を書くたびに「どのくらいネタバレに気を付ければいいんだろう・・・・と、ものすごく迷う^^;
迷いながらも、かいてみよう。
魂のホームステイ、というちょっと風変わりな設定で物語はスタート。
生前、大きな過ちを犯したために「生まれ変わり」を許されなかった「ぼく」の魂が、
ラッキーにも生まれ変わりの権利を獲得するチャンスを与えられる。
そのチャンスとは、下界にいる誰かの身体に魂のホームステイをして、
自分がどんな過ちを犯したかを思い出し自覚するということ。
そのためのガイドとして、天使の「ブラブラ」がサポートをしてくれる。
「ぼく」がステイしたのは、危篤状態にある少年「小林 真」の身体。
小林真として生活をしなければならないけれど、事前情報がなんにもないので
ある意味ゼロスタート。自分なりの「小林 真」として生活を始めるけど・・・・・・
はじめは、「楽勝楽勝」と始めたけれど、
他人の人生を生きる、ということが思いのほか荷が重くて・・・・・。
読んでいると、生まれ変わりができなかった「理由」が徐々に予測できてきて、
少し苦しくなってくる。(「ぼく」は全然気づいてないんだけど)。
いつ気づくんだろう、どうやって明かされるんだろうとなんだか心がザワザワしてきて
一気に読んでしまった。
児童文学出身の作者だからこそなのか、
少年とその友人やクラスメイトの生き方、考え方、言葉が、とても瑞々しく生き生きとしていて、
なんだか眩しいお話で、でも、その反面、家族間の葛藤や言えなかった言葉たちの重みなどが
影を作っていた。
いろんな人にいろんな気持ちや人生があって、それぞれの個性豊かな色があるんだけど、
背中合わせに必ず黒があるような。そんな感じ。
その眩しさと彩りは、見る角度を変えると全く違った色に見えてくるような。
それと、「ぼく」と天使「ブラブラ」のやりとりが、なんとも可笑しみがあってよかった。
ちょっとにんまり笑っちゃうような。ストーリーが意外と深刻なんだけど、そこにいい感じのスパイスを効かせてくれてる感じがした。
今のこのちょっと難しい世相に生きていると忘れちゃう、物事を俯瞰してみたり角度を変えてみたりすることを思い出させてくれる。
そして、取り返しのつかないこと、をしてしまってもいつか許される時がくるはず、と信じさせてくれる温かい物語でした。
God bless you!