映画会社勤務でオスカーウォッチャーのメラニーさんによる『なぜオスカーはおもしろいのか?』(星海社新書)を読みましたが…
なぜこんなにおもしろいのか?ハチャメチャに楽しかったっす♪
知らない事ばかりがてんこもりで、文字通り「目から鱗」!
先ず驚かされたのが、前から気になっていた〈主演賞〉と〈助演賞〉の境い目。
よくビミョーなのあるぢゃないですか?
例えば『カッコーの巣の上で』で〈主演女優賞〉を受賞したルイーズ・フレッチャー…
『羊たちの沈黙』で〈主演男優賞〉を受賞したアンソニー・ホプキンス(←全編通して、11分しか出ていない!でも、圧倒的な存在感!!)…
『恋愛小説家』で〈主演女優賞〉を受賞したヘレン・ハント…
いずれの受賞者も、御覧になった方はおわかりでしょうが…
「主演てより、助演ぽくネ?」
…って思いますでしょう?
そして、最近で云うと『女王陛下のお気に入り』…
あの作品は、主演賞を獲ったのはオリヴィア・コールマンでしたが、御覧になった方はご存知でしょうけれども、レイチェル・ワイズとエマ・ストーンも主役で、3人とも主演賞にノミネートされてもおかしくありません。
だのにレイチェルとエマは、助演にノミネート…
これには訳がありまして、オスカーの俎上に乗ったところで、主演か助演かを決めるのは、製作者や配給会社なんですと!
そして、このように〈主演賞1人・助演賞2人〉と配分したのは、その方が獲りやすいと製作側が判断したからなのです。
そして見事に、オリヴィアが主演賞を受賞しました☆
もっと面白い話がありまして…
『愛を読むひと』と云う作品で、主演のケイト・ウィンスレットは、オスカー前哨戦となる【ゴールデングローブ賞】で〈助演女優賞〉を受賞しました…
すると、その直後に時の権力者であるハーヴェイ・ワインスタインは、オスカーの方ではケイトを主演賞推しにして、見事に受賞!
同じ作品で主演賞と助演賞を受賞すると云う、大変珍しい結果となりました。
…では何故、ワインスタインは助演から主演に変えたのか?
それは、その年の対抗馬が弱かったからだと云われております。
当時のワインスタインの力は絶大で『恋におちたシェイクスピア』が7部門獲得出来たのも、ワインスタインの力とも云われてまして、その中でジュディ・デンチが約8分しか出ていないにも拘わらず助演賞を受賞したのも、それによるものと…。
一説によると、ワインスタインは〈神様〉と〈スピルバーグ〉に次いで、オスカー受賞スピーチで感謝されてる人だそうです。ま、神様は〈人〉ではありませんが。
他にも、オスカー作品賞ノミネートの上限が5作品から10作品になったのは、今や神格化されているアメコミ原作の映画がきっかけだとか、興味深い事が沢山書かれてます♪
あっちゅう間に読んぢゃいました!映画好き、必読☆是非!