
此のお方は、昨年暮れに映画化されて話題となった『こんな夜更けにバナナかよ』を書いた方で、ご自身が経験された事を踏まえて、障害や福祉について語っておられます

此の書が出版されたのが昨年暮れなんですが、コレを書くのに5年もの月日を費やしたそうな


それだけに、読み応え充分
…また驚く事には、此の本を執筆している最中に、あの相模原市の障害者施設に於いての大事件が起きたのだそうです。
此の事件の被告の発言を問題提起として、終わりで以て、反論となる答えが産まれます。全く以て、溜飲の下がる反論です。
東大和市で自立生活をしている脊髄性筋萎縮症(SMA)の海老原宏美さんが仰ったお言葉が引用されてるのですが、コレが圧倒的でして…
205・206ページの発言を読むと、ガツンときます。
…コレと同じ感動は、中村文則さんの大傑作『何もかも憂鬱な夜に』に登場する〈あの人〉の台詞…
「考えることで、人間はどのようにでもなることができる…世界に何の意味もなかったとしても、人間はその意味を、自分でつくりだすことができる」
…を読んだ時に味わって以来。海老原さん、仰る通りです。
「人は誰かを『支える』ことによって、逆に支えられている』のです」
〈あとがき〉の結びの一文…
「ゆめゆめ、人生について知ったかぶりをして、わかったようなことをいうべきではないと思わされるようなできごとが、この世界にはあふれているからです」
現代人、必読の一冊
