皆さん、聞いてください

昨日は、何と…
〈歌舞伎座〉の舞台に上がったんです




…とは云え、落語で上がった訳ではありません

【清元節生誕二百年記念演奏会】で以て『三千歳』(←本名題は『忍逢春雪解(しのびあふはるのゆきどけ)』)を演りました



清元の稽古を始めたのは、今から4年前の2010年6月から

清元美好太夫と云う師匠に師事して稽古を続けておりましたら、今回の200周年にぶつかりました

コレも何かのご縁かなと、大変未熟者ながら出る事を決意
師匠はじめ、沢山の方々にバックアップして頂いたお陰で、昨日と云うハレの日を迎えました
朝8時に劇場に到着すると、正面の看板に不肖王楽の名前が出ているぢゃあ~りませんか


嬉し過ぎて、写真をパチリ
楽屋入りして色んな準備をしておりましたら、あっという間に開演時間

「さて、着替えるべェとするか
」と風呂敷包みを広げてみて、アラビックリ…帯を忘れた~


「どうしよう、取りに行かねばなるめェ

」と思ったら、帯の神様(←何だそれ)は私を見捨てませんでした…楽屋が一緒だったのが、同門の西田さん

出番が17時過ぎの西田さんご自身はまだ楽屋入りされてはなかったのですが、西田さんの着替えだけは楽屋入りしており、その中に帯が入ってるぢゃあ~りませんか

「西田さん、拝借します
」と心の中で断って、それを締めて事なきを得ました…有難う、帯の神様
(←いや、西田さんにだろ)開演して緊張感がMAXになってる私の傍にいたのが、付き人として来てくれた弟弟子の鯛好

伝統芸能に微塵も興味を持たない彼は、緊張してる私に対して、遠慮会釈無しにストーンズやポール・マッカートニーの話をしてくれました
…ってオーイ、完璧に付き人のミスキャストや~ん


私の出番は、開演して3本目の10時45分

前の方々が語ってる真裏で、回り舞台に座って控えておりました…心臓バクバク



私の舞台に並んでくださったのは、我が師匠の美好太夫に清元一太夫師匠、そして三味線には、清元勝三郎師匠と…何と、人間国宝の清元榮三師匠
(←数日前にブログで書いたのが、此の事です)直前になって、自分のしてる事が大変な事だと云う事に、じわりじわりと気付いてきました…お母ちゃん、助けて~



前の方々が終わり、回り舞台が回り始めた時の感じは、ジェットコースターが急降下する直前のゆっくりカタカタ昇っていく感じにそっくりでした…
覚えてない内に、幕が開く…親類でも何でもない方から「待ってました
」と声が掛かる
緊張し過ぎた私は、驚いた事に客席の最前列しか見る事が出来ませんでした…折角の歌舞伎座だったのに


(←

ばっかり)何とか演り終えて楽屋に戻ると、平日の昼間にも拘わらずいらしてくださったお客様方が、大勢いらしてくださいました。
皆さん、口を揃えて「良かったよ」と、お世辞を云ってくれました…そら、お世辞でしょう
だって私自身、どんな声出してたかわからなかったくらいですから
フツーなら上がる事の出来ない歌舞伎座に上がれた事、心より有り難く思っております。芸人人生に於いて大変素晴らしい経験をさせて頂きました。
それもこれも、並んでくださった清元榮三師匠・清元勝三郎師匠・清元一太夫師匠、そして平日の昼間と云う御多忙な中を安くない入場料を払っていらしてくださったお客様方のお陰です。有難うございます。
…特に、貴重な時間を割いて根気よくお稽古をつけてくださった師匠の清元美好太夫、そして清水恵美さん、心より御礼申し上げます…あ
あと、帯の神様にも
(←だから、西田さんにだってば)ところで…
お客様とのご挨拶が済んで、ガランとした楽屋にいてくれたのが、付き人の鯛好

最前申し上げた通り、伝統芸能に1ミクロンも興味のない彼ですから…
「アンタ、興味がないから私の清元を聴いてなかったでしょう
」…と、冗談交じりで問うと…
「ハイ、高校野球見てました
」…ってオーイ、本当に聴いてなかったんか~い



とにかく皆様、有難うございました











