【映画見聞記 vol. 169】 | 七代目 三遊亭円楽のブログ

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〈上野東急〉にて『ダークナイト』を観ました。

此の作品は、日本ではさほどでなく(ないよね?)アメリカでは超人気の『バットマン』シリーズの最新作です。

監督は、前作『バットマン・ビギンズ』に引き続きクリストファー・ノーラン。主演も前作同様クリスチャン・ベールでしたが…


ただでさえ陰のあるヒーロー映画だのに、いつもより暗くいつもより怖い…しかしながらいつもより深い味わい。大変重厚な仕上がり(←時間も2時間半!)で、かなり満足の一本。

何が凄いって、先日若くしてお亡くなりになられたヒース・レジャーの演じた悪役・ジョーカーの、その恐ろしさと云ったらありません。

はっきり云って、奇才ティム・バートンによる第1作『バットマン』で、これまた名優ジャック・ニクラウス…ぢゃねえ、それぢゃゴルファーだ。ジャック・ニコルソンの演じたジョーカーよりも、数倍怖かった!(←あれはあれで良いけど)

とにかく怖い。小心者の私はジョーカーが出てくる度に、目と耳を塞いでいたのは云うまでもありません。だって凶器がナイフなんですもの。一日も早く、銀幕から刃物を撲滅したいものですな?

…何でも噂によるとヒース・レジャーは、此のジョーカーを演じてからおかしくなって、薬に溺れて死んでしまったとか。

ジョージ・ロイ・ヒル監督による名作『スティング』に出ていたロバート・ショーが、出来上がった作品を観て「何だコレ、俺だけが騙されてんぢゃん」と思いおかしくなったのと、些と似ている。

否、ミロス・フォアマン監督のこれまた名作『アマデウス』で、モーツァルトを見事に演じたトム・ハルスが、その後不振に陥ったのに似ているか。

強烈な役柄・キャラクターを演じることは、それだけ魂を擦り減らすってことなんでしょう…ヒース・レジャー様、心よりご冥福をお祈りします。見事すぎる程の怪演…心に染みる名演でした。

アーロン・エッカート演じた〈正義〉のハービー・デントの〈悪〉へ堕ちていく様と、ぞっとする様な特殊メイクも物凄い(←ちょっと〈溶けたターミネーター〉みたいだけどね)。

残念なのは、ヒロインのマギー・ギレンホールに華がないことか。

とにもかくにも、ヒース・レジャーのジョーカーに尽きる。それだけでも必見の作品です。是非ご覧下さい!だって…










ヒースのヒール(悪役)っぷりを観てもらいたいから!(←座布団8枚!)