




DVDで『ケープ・フィアー』を観ました。
マーティン・スコセッシ&ロバート・デ・ニーロの名コンビが、往年の恐怖映画『恐怖の岬』をリメイク…ってまァ『ケープ・フィアー』自体、もう20年くらい前の作品ですが。
暴行罪で14年間の監獄生活を強いられたマックス・ケイディと云う男が、その時の弁護士に復讐すると云う爽やかな感動物語…ってオイ、陰湿な物語だよ。そのマックスを演じてるのが、デ・ニーロなんです。
10年くらい前に『恐怖の岬』は観ました。オリジナルのマックスは、名優ロバート・ミッチャム。物語が余り怖くなくて、やや拍子抜けした覚えがあります。さて、リメイク版は如何でしょう…
怖い。めちゃめちゃ怖い。うんざりする程に怖い。それもこれも、デ・ニーロの所為だ。
『タクシードライバー』にしろ『レイジング・ブル』にしろ『キング・オブ・コメディ』にしろ、スコセッシ映画のデ・ニーロは、狂人ばかり…コレは、集大成みたいなもんですかね。見事過ぎる〈デ・ニーロ アプローチ〉に、多少げんなりするのは気の所為か?
「俺は神で、神は俺と同格だ!俺は神のように大きく、神は俺のように小さい!神は俺の上になく、俺は神の下ではない!」
17世紀のシレジウスって人の言葉らしいけど、マックスはこんな事をつらつら喋りながらボコボコに殴ったりするんですよ?そら、怖いよ。そら、げんなりするよ。
そんなデ・ニーロよりも個人的にピカイチだったのは、弁護士の娘ダニー役のジュリエット・ルイス。
映画に興味を持ち始めた頃は好きくない女優さんだったのですが、いやはや参った…レンピッカの〈ピンクの服を着たキゼット〉に近い香り(←ナボコフの『ロリータ』の表紙に使われた絵だそうです)。挑発的で蠱惑的な魅力が、画面からぷんぷん漂いまくってきます。然しジュリエット・ルイス、最近見ませんね?演技も上手い方なので、また観たい女優さんです。
ラストのダニーの台詞が印象的…
「過去を引きずる事は、毎日少しずつ死んでゆく事だ。それよりも私は、生きていきたい」
とにかく怖い。個人的には、当分〈ソシオパス(異常性格者)映画〉は、お腹いっぱいな感じです♪