毎週マッサージの施術を受けに、山友会に通っているLさん。

初めて来所されたのは、Lさんが路上生活をされていた時のことでした。

生活保護の申請をお手伝いし、一度は簡易宿泊所での生活に落ち着きましたが、長くは続かず、ある日突然、行方がわからなくなってしまいました。

 

その後しばらくは山友会にも姿を見せませんでしたが、再びいらっしゃるようになり、もう一度生活保護の申請を行うことに。

スタッフが一緒に手続きを進め、無事に申請が受理されて、少しずつ生活の安定が見えてきた矢先、またもや簡易宿泊所で他の住人とのトラブルがあり、再び路上生活に戻ってしまいました。

 

※写真はイメージです。記事中に登場する人物とは関係ありません。

 

そんなある日、Lさんがいつものようにマッサージを受けに来られました。

施術中、ふと「続かないな…空っぽだ」とつぶやいたLさん。

その言葉に、施術をしていた先生は静かに耳を傾けた後、こう返しました。

「空っぽってことは軽くていいね。軽いから肩もこらないしね」

 

普段は、スタッフの声かけに素直に応じないこともあるLさんですが、このときばかりは「確かに気楽だな」「一本とられた」と笑いながら応じていました。

 

生活保護を受けたとしても、地域での生活がなかなか継続できない状況の中で、Lさん自身も、さまざまな思いを抱えていたのかもしれません。

 

お二人のやりとりが素敵だなと思った私は、後日マッサージの先生にそのことをお伝えしました。

すると先生は、こう話してくださいました。

「彼の捉え方や考え方は独特だけど、真剣に聞いて、ちゃんと答えなきゃと思わされる。不思議で、うまく言葉にはできないけれど、それがすごくいいなって思う」

 

住まいや食べ物を提供することは、支援としてもちろん大切です。

しかし、それだけでは人はなかなか前を向けないこともあると感じます。

 

自分の思いを安心して語れる場所、受け止めてくれる誰かの存在。

そうした「関わり」や「つながり」こそが、もう一度歩き出す力になると、私たちは信じています。

これからも、一人ひとりと向き合いながら、「ありのままの姿」を尊重し、寄り添っていけるような活動を続けていきたいと思います。

 

 

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