ツリフネソウですが、何種類かありますが、家の近郊で見られるのは2種類です。

毎年秋の花の定番です。

でも、昔、今よりずっと素直な時に

①なんで「キツリフネ」には「キツリフネソウ」って草がつかないのか?

②なんで「キツリフネ」の距はまっすぐで丸まらないのか?

③ツリフネソウとキツリフネで花のつく位置が違うのはなぜか?

 

 

 分からないまま、時間がたってしまい、分かったような、どうでもいいような・・

 本人しか分からないので仕方ない・・とかで、そのままにしています。

 

 

 

 毎年毎度、同じメモですから、繰り返しになりますけど、復習です。

 「ツリフネソウ」です。 漢字では「釣船草」とか「吊舟草」と書かれます。

 ツリフネソウ科、ツリフネソウ属の多年草です。

 

 

 別名が「ムラサキツリフネ」です。

 暮らしているのは、日本では北海道~九州の低地や山地の湿地、やや薄暗いところにも咲いています。また、朝鮮、中国やロシアの南東部にもいます。

 このツリフネソウは、後のキツリフネと一緒に自生している所もあります。

 

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 40~80cmくらいの草丈で、茎はやや赤みを帯びて節がふくらみます。

 葉っぱは互生して鋸歯があり、楕円~広披針形です。

 

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 花は赤紫色で花弁のようになった3つの萼と3つの唇形の花びらがあります。他のツリフネソウとの違いは「距」が長くて先っぽが渦巻状に巻いています。

 花びらの下の2つが大きく黄色い斑点があります。

 雄しべは5つで花糸は短くて葯が合着して雌しべを包み込んでいます。

 

 ツリフネの名前は、花弁の様子を「帆掛け船」を吊り下げた形に見立てたことと、花器の釣舟(というのがあるらしい)に似ているからだそうです。

 

 

 稀に「白花」があり、シロツリフネといいますが、まだ逢えません。

 また、花軸の下に毛のないものを「ナメラツリフネソウ(トガクシツリフネ)」ともいいます。

 そして、この草も薬になります。全草を「野鳳仙花」、塊根が「覇王七(はおうしち)」というそうです。腫れや膿に効果があるそうですが、なぜか、キツリフネは薬にならないそうです。

 

 仲間がいます。でも似ていて非なるものです。

 「キツリフネ」、「シロツリフネ」、「ナメラツリフネ」、「エンシュウツリフネ」、「ワタラセツリフネソウ」などがあります。特に、ワタラセは2005年に発見されたものです。

 

 

 ツリフネソウは花を葉っぱの上に咲かせます。

 茎先から細長い花序が伸びて、その先にこんな花がつり下がります。

 他のツリフネの仲間は葉っぱなどの下に花が咲くのですが、このツリフネソウは目立ちたがり屋なのか、葉の上に咲くので虫にも人にもすぐ分かります。

 

 

 出来る果実は蒴果です。

 

 

 「キツリフネ」です。 「黄釣船」と書きます。こちらは日本全国、さらに、ユーラシア大陸に超広く、さらに北米にも暮らしているそうです。

 近くの公園ではツリフネソウと同じ場所で咲きますが咲く時期が違います。

 

 

 でも早い時には初夏に咲くし、遅い所は今です。 ツリフネソウの前に咲くかな。

 別名が「ホラガイソウ(法螺貝草)」です。

 葉っぱは互生して長楕円形や卵形。葉柄があります、鋸歯が目立ちます。

 

 

 花はツリフネソウと基本は同じです。花弁は5つですが、両側の2つずつある花弁が合着しています。

 萼片は3つ、後ろ側の1つが舟形となり、更に先が細くなり距となっています。でもこの距はまっすぐです。これがツリフネソウとの違い。ツリフネソウの距は丸まっています。

 

 花色もいろいろありますし、中の斑点、黄色い模様も変化が多いようです。

 雄しべは5つですが、花糸が短くて役が合着していて雌しべを包む形になっています。

  いろいろ見ていると・・色の薄めのもありました。

 

 

 葉っぱの上で思いっきり咲いているので、ツリフネソウでしょう。

 新種じゃあないのかな? そしたら、ツリフネソウは世界に600~1000種もあるのだそうです。

 

 

 今年は今までの「メモ」に以下の書籍の資料を追加しました。

 『フィールドウオッチング ②「秋の野山を歩く」』より

 

外国には約600種のツリフネソウがあり、その花の形態も極めて多様。ところが日本には3種しかなく、形態もそっくり。ツリフネソウ属の花は花びらが5つ、3つの萼のうち1枚の萼が細長く伸長し、距を形成している。距の先端から蜜が分泌され、それを求めて舌の長い昆虫が訪れて送粉を助ける。

 したがって花の形態とその送粉を担う昆虫の形態の見事なマッチングを世界各地のツリフネソウに見ることができる。例えば、東南アジアでは日本のツリフネソウ類とはおもむきの異なるツリフネソウがスズメガ、コシブトハナバチ、コハナバチなどによって送粉されている。

 

 

 日本の3種のツリフネソウの形態がそっくりなのは、3種とも舌の長い同じ種類のマルハナバチによって送粉されているからです。

 この長い舌のマルハナバチの代表はトラマルハナバチで、ツリフネソウのあるところにはこのハチがいる。中部山岳にはナガマルハナバチとウスリーマルハナバチが加わり、北海道ではエゾマルハナバチが加わる。

このマルハナバチが花の正面から入って長い舌を距の中に挿入すると、ちょうど胸部背面の毛が葯や柱頭に触れる仕組みになっている。マルハナバチの各個体は特定の種の花を集中利用している個体では胸部背面の毛が擦り切れていることが多い。

 

 

 キツリフネは黄色い花弁を持つ開放花と非常に小さい閉鎖花をつける。

そしてキツリフネの開放花は雄性先熟で自家受粉できない・・・仕組みを持つ。

しかし、ツリフネソウは稀に閉鎖花をつけるようだが、繁殖にはあまり重要性がないそうです。そして開放花は自家受粉も出来る仕組みを持っているようです。

 

 また宿題が見つかりました。

 キツリフネの閉鎖花です。