去年から急に親しみというか、気になっていてこの時期になると、ついつい葉っぱをかき分けたくなります。

 去年はラッキーで比較的簡単に花に会えました。

 

 

 今年はなかなかタイミングが合わないようで、ツボミが多かったです。

 そして結構枯葉などが詰まっていて、これを取り除くのも大変です。もたもたしていると挙動不審者として取り囲まれそうです。

 

 

 実は去年は通りかかった方に・・・

 「何をしているのですか?」と問われました。

 あれこれ・・と説明すると、家にこれが植えてあっても、花は見たことがない・・って言うことで、一気に話題としても盛り上がりました。

 

 

 「ハラン」です。 その花を探してました。

 ハランと言えば「バラン」のもと・・あの折詰や刺身の盛り合わせなどの仕切りに使われるもの。ハランとかバランとか言われ、今はプラの緑のギザギサになったものが普通です。

 

 

 でも名の謂れは中国で「馬蘭」と呼ばれていたのがモトのようです。

 キジカクシ科、ハラン属の常緑多年草です。

 いつも、どんな時も、大きな葉っぱを広げています。

 庭園などの必需品です。

 なので、主役は葉っぱです。

 

 

 こんな形で地面から突然でているのが「ツボミ」です。

 でもちゃんと花が咲きます。そのユニークさが気になって・・・

 

 

 この写真は公園で、観察しやすいようにしてくれていたのです。

 なので、花が咲いているのが分かります。

 でも普通は最初の写真のようなので、ほとんど外から見ても分かりません。

 そして、座り込んで、葉っぱを横にしたりして、下を探しても、他の葉っぱなどが溜まっていて、悪戦苦闘しないと会えません。

 

 

 ハランについて、図鑑では・・・

 原産地はよく分っていません。当初は中国の南部とされていたようです。でも中国でも今だに野生種がみつかっていないそうです。

 そしたら鹿児島大学の迫先生たちの研究報告で「九州南部、宇治群島、黒島や諏訪之瀬島」とあるそうです。
 

 

 葉っぱは、地下にある茎の節から葉柄を出して、披針形の大きな葉を付けます。

 この葉、薄いのに硬く丈夫。長さは50cm以上にもなります。楕円形、披針形~長楕円形です。そして、気になる記述がありました。

 「葉は葉柄が180度回転して逆向きに出る」とあります。
 

 

 さて、今回のメインイベント・・・

 花はなんと表現したらいのでしょう。

 第一、これが花か!って感じです。

 紫がかった多肉植物みたいです。

 

 

 

 地下茎から直接花として出ます。

 全体は筒形と言うか鐘形だそうです。でも半分以上は地下にありました。

 ツボミの写真でも花冠の先が8つに分れるのが分かります。

 

 

 解説に頼るしかありません・・。

 雄しべは8つあり、その葯というか花粉は黄色ですが、雌しべの柱頭が柱頭か傘状になっていてよく見えません。

 田中先生の解説によると・・

「花の中を見ると直径2cmほどの落し蓋のような柱頭が、花被の中にあります。でも、外からは雄しべは見えません。」

 

 

 「花の内部、花被を切り取って、柱頭の下を見ました。キノコ形の柱頭の下に半月形の雄しべがあり、花被の底には花粉がこぼれていました。この構造からは、花粉が柱頭の上にこぼれて同花受粉するとか、風に吹かれて柱頭につくのだ、とは考えられません。何か運び屋がいるはずです。でも蜜は発見できませんでした」

 

 

 こんな様子で咲いているので、花粉の媒介をしているのはアリとかカタツムリやナメクジかと思っていました。 

 

 

 そしたらこれも研究者がおられて、1995年に加藤先生という方がヨコエビ類のニホンオカトビムシというのがポリネーターだと報告しました。

 その後、加藤先生の教え子の末次先生がキノコバエ類がポリネーターであると研究報告しました。

 

 

 詳しいことが分かりだしたのが20年~30年前なので、まだまだ不思議なことがありそうです。

 

 

 できる果実は液果?のようです。

 果実の出来方もユニークです。