いつもはブログに書かないことでも載せてみようかと思う。

これはドクガの幼虫です。毛に毒があり、服の上からでも繊維の間を通って肌に刺さるので厄介です。桑取りの作業時に刺されることがよくあります。今シーズンはそれほど見かけませんでした。私自身、もしかしたらそうかな?という痒みが一度あっただけで症状も軽かったです。

 

 

 

 

 

こちらはクワキジラミ。春蚕のシーズンによく出ます。風通しが悪い場所の葉の裏に生息しています。幼虫には分泌した蝋糸がついていて、触るとベタベタします。当館の畑では、今年はかなり発生しました。そのためか、これを食べるテントウムシも多かった気がします。

 

この虫がついた桑は蚕にはそれほど影響はないと聞いています。昔の資料に、熟蚕になるのが遅くれたり、繭が小さくなったり、へい死する蚕があるというデータがあります。これはクワキジラミで中毒が起こるというのではなく、クワキジラミが付着した葉を多く食べると栄養不足により影響が引き起こると考えられるようです。とはいえ、大量に飼育している農家がこれを細かに取り除くことは困難です。丁寧な農家でも畑でクワキジラミの付いた枝を多少振るってみるくらいだと思います。触れるとピョンっと飛び跳ねて顔にたくさん体当たりしてくるので私は苦手です。見た目はユニークですけどね。クワキジラミも蚕と同じで5令期まであるみたいですよ。蝋糸は4令までは3本、5令では4本になるのだとか。

 

 

 

 

 

アマガエル。今シーズンは桑畑で多く見かけました。これもクワキジラミの影響でしょうか?雨が降りそうな日は桑畑はカエルの大合唱です。アマガエルは好きなので、ずいぶんと楽しい気持ちにしてもらいました。

 

 

 

 

 

クワコ。野生の蚕です。家蚕のご先祖様と考えられています。桑畑に生息しています。国内では奄美・沖縄では発見されていないそうです。小さくて淡い黄色の繭をつくります。

 

桑畑には同時期に尺取り虫もいます。尺取り虫は春の新芽をかじるので害虫として認識しますが、クワコは体の色柄は違えど家蚕に似ているので邪険には出来ません。

 

 

 

 

 

飼育をしていると蚕の天敵にも遭遇します。

当館では、烏・トカゲ・アシナガバチです。烏は、一気にごっそり喰い散らかすので最悪です。今回も熟蚕の甘い香りがし始めたころに狙いに来ていました。鳥に関しては蚕室に侵入されないように対策しています。

 

やっかいなのはトカゲです。蚕たちの居場所に潜り込んで食べます。一日に何頭食べているのかはわかりませんが食堂にされては困ります。ウチの猫はトカゲを捕るのが上手なので蚕室の見回りを強化願いたいです。

 

 

 

 

 

写真はアシナガバチが蚕を肉団子にしているところです。近くに巣があるのでしょう。彼らにとっては素晴らしい狩り場だと思います。彼らには悪いですが、追跡して巣を見つけ殺すのがベストと考えています。

 

 

 

 

 

と、蚕を飼育していると心和むこともあれば、蚕に繭を無事につくってもらうためにいろいろあります。

 

 

 

 

 

おかげさまで、当館の蚕たちは6月5日にお蚕上げとなりました。