絹のことば

群馬県立女子大に、養蚕のことばを研究する先生がいらっしゃる。
新井小枝子さん。方言学、日本語学が専門のかたです。
以前から一度お話をうかがってみたいなと思っていました。
今日は、やっとそれが叶いました。

吉井にあるNPO法人ひつじ大学が主催の文化講演会で新井さんが講師として招かれたのでした。
「ことば」っておもしろいな~と思いました。新井さん自身、方言はおもしろい、勉強してみたいと思って進学をなさったそうです。それをずっと突き詰めて研究なさっていらっしゃる。そのことがお話の中にあふれていました。

講演のおわりに、誰かにずっと教えてもらいたかった熟蚕(じゅくさん)の方言について質問をさせていただきました。このあたりの農家では、熟蚕を「ズー」というのですが、これを文字で表記するときにどのように書いたら良いか悩んでいたのです。言葉で発するのを聞くと「ず」のあとを伸ばすのですよね。回答、ひらがな表記なら「ずう」カタカナ表記なら「ズー」。ひらがなでは「ずー」とは書かないもののようです。しらなかった。そうすると、耳で聞く音は伸ばすのだから、「ズー」と書き表すのが一番しっくりくるから、これからはカタカナ表記にしよう。長年気になっていたことに決着が付いて良かったです。ありがとうございました。

新井小枝子先生のお話は、とてもオススメです。
でも、なかなかすぐに機会があるかもわからないので、こちらの著書を。


『 絹のことば 』 新井小枝子著
発行:上毛新聞社 価格:1500円(税別)

帯コピーより ~ そこに宿るのは、長い歴史のなか養蚕と言う生業にはぐくまれてきた人びとの心。ものの考え方、とらえ方を澄んだ鑑のごとくにうつしだす。かけがえのない豊かな絹のことばとその文化を今、掘り下げる。 ~


この本は、地元紙の上毛新聞社が発行しているシルクカントリー双書、全10冊のうちの一冊です。
今日の講演を聴講して、やっぱり買わないとだなと思って帰りに購入しました。なので本の感想は書けないのだけれど、かなりおもしろそうです。