27日木曜日は6368オルガノの株主総会に初めて出席してきました。東陽町の運転免許試験場のすぐそばで、昭和30年代前半までは赤線(遊郭のことです)があった洲崎パラダイスの近くでもあります。初めて知ったんですが、ココは洲崎球場の跡地なんですね。

 

“水”の会社だけあって、本社にはお堀がありました。

 

オルガノは、東ソーが大株主(44%)である、水処理エンジニアリングの会社です。最近大きく脚光を浴びているのは、なんといっても半導体向けの超純水製造装置。この超純水が作れるのは、世界でも栗田工業•オルガノ•野村マイクロサイエンスの日本勢3社🇯🇵とオビボ(カナダ🇨🇦)の計4社だけだと言われています。

 

日本企業は、半導体デバイスに関しては、CMOSセンサーのソニーなどを除いて、もはや台湾TSMCや韓国サムスンの足元にも及ばない状況になってしまいましたが、半導体製造に必要な材料やユーティリティの供給については、まだまだ肝の部分を握っています。その中でも、超純水は日本企業が非常に強い分野。ワタクシも遅まきながら昨年になって初めて、オルガノと野村マイクロサイエンスの2社の株式を購入したんです。

 

ここ数年のオルガノの株価を年足で見ると、まさに鰻上り❗️

 

ただ、野村マイクロサイエンスの上げ方はもっとすごいんですよ。ただしここのところは調整中ですが⤵️

 

今回は総会終了後に社長自らが説明する事業説明会を開くということだったので、超純水の最前線動向を知るためにも出席しましたが、いやぁ〜、非常に面白かったし、ためになりました。6368 オルガノの株主総会の評価は、★★★★☆(4=VERY GOOD )です。

 

上記のグラフ📈のように、業績も順調で株価も上がっているので、総会自体は全く問題なく40分程度で終わりました。質問したのはすべて個人株主の方々でしたが、皆さん博識で事業についてもよく研究されています。また、これらの質問に対して、すべて社長が想定問答などは一切見ずに丁寧に回答していたことにも好感が持てました。

 

株主からの質問や意見タイムでは、3名の株主から質問がありました。(ワタクシ自身では株主としても勉強になったので以下に手元で書き留めたメモを情報共有しますが、興味のない方はスルーしていただければ💦)


1)超純水製造技術に関わるセキュリティ体制や防御策はどうなっているか?

→①知財面では特許出願で防御するとともに、②海外を含めて肝の部分はオルガノ社員が行い、他社にはノウハウが漏れないように留意。米中対立により中国では自国で技術開発していく流れが出ているが、超純水分野については参入障壁は高いと思っている。


2)筆頭株主である東ソーからは、どのくらい原材料を仕入れているのか?その割合は?また、東ソーの同業他社からも仕入れは行っているのか?

→44%株主である東ソーからは塩酸を購入する一方で水処理設備を納入しているが、取引額は東ソーから見るとごく些少。また当然東ソーの同業他社との取引もあり、オルガノの経営についてはちゃんと独立性が保たれている。取締役9人の過半数は社外で、社内取締役4人も3人はオルガノのプロパー。

 

3)オルガノの業績見通しはもともと保守的だが、それにしても経営目標がちょっと控えめ過ぎる。何か理由があるのか?
→過去5年業績は右肩上がりで推移し、ROEは直近で18.4%になっている。半導体需要も堅調なので、これだけ好調な需要をどれだけ当社が取れるかが問題。課題は「外よりも内にある」と認識している。すなわち、「要員増加×生産性向上(DXなど)」で顧客への納入キャパを上げていくことが大事。売上高経常利益率は15.6%なので、中計のROE14%台は最低の必達目標と考えている。

 

以上の質疑応答の後、議案はすべて可決され、10分間の休憩の後、10:55から事業説明会になりました。ココで、説明資料とお茶とお菓子が配布されました🧇🧇この銀座松崎煎餅製「オルガノ刻印入りの瓦せんべい」、ちょっと甘くて懐かしい味でした。

 

そうそう、総会出席者には1,000円のQUOカードとお水のお土産がありましたよ。

 

そして、事業説明会では、社長自らがパワポで説明し(メインの内容はネットでアップされている去年のIR資料とほぼ同じ。当たり前ですが)、そしてその後でまた株主からの質問タイムでした。ワタクシも、せっかくの機会なので、1問だけ質問しましたよ。

 

4)野村マイクロサイエンスと比較して、オルガノとの事業戦略の違いや強みと弱みは?

→野村は超純水に特化しているのに対して、オルガノは水関係全般に広く事業展開。また野村は韓国サムスンが大口クライアントであるのに対して、当社は台湾で高シェアでTSMCにも納入。この台韓最先端両社からの純水メーカーへの要求は同レベルだが、やはり最々先端であるTSMCに強いのがオルガノの優位性と考えている。


5)超純水装置とはどういう装置なのか?

→水一滴から巨大なプラントまで様々。TSMCなどに納入しているのは、装置というより水処理プラントの規模。いくつかのステップに分かれており、100mもあるパイプラインが入り組んでいる。


6)ライバルである栗田工業との違いは?また今後の需要増加を考えると野村マイクロサイエンスのように半導体各社向けに社内の経営資源を集中した方がよいのでは?

→栗田工業は薬品に重きを置いた総合水処理メーカーで、超純水は同レベルの技術力と認識。当社も事業展開については、半導体シフトを敷いており、2030年に向けて引き続きdriving forceを集中していきたい。ただ、長期的な強さを維持するためには、広い顧客基盤が大切で、有機溶媒などに関する知見を深めることも大事だと思っている。


7)超純水不純物濃度(50mプールの超純水に溶けんだ不純物の量は、耳かき1さじ分)の低下競争は今後さらに進んでいくのか?また、せっかく機会なので、TSMCへの納入についての苦労話を聴かせてほしい。

→不純物濃度の低下は限界に来ていると思う。どこまで分析できるかというレベルに来ている。TSMCとの苦労話はいっぱいある。ここ数年の大型案件プロジェクトのマネジメントで予想以上にマンパワーがかかっている。非常にコストコンシャスな会社だが、一度信頼を確立すると他には行かない面はある。


8)第2のTSMCへの展望は?

→最優先は米国市場。米国は補助金も加わって、これからますます世界で中心的な市場になっていく。


9)これまでの好調な業績と株価上昇には感謝するが、2ナノになると水では洗浄できなくなるのではないか?

→今でも一番先端の部分は水ではなく溶媒で洗浄しており、当社も溶媒についての研究開発は行っているし、その他の分野も将来ニーズと市場性を見ながらやっていく。ただし、半導体製造全体については、水需要はなくならない。

 

という感じで、11:50にすべて終了しました。

 

このような直接質問や意見を述べられるリアル事業説明会は、アナリストと違ってナマの企業情報に触れることが難しい我々個人株主にとって非常に価値があります。今回もスライド投影のみで配布資料には入っていなかったのですが、オルガノがTSMCに強く、ソニーのイメージセンサー工場にも納入しているということが分かって、しばらくは業績に心配なさそうだと感じた次第でした。

 

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さて、ワタクシ、株式投資では、毎週末の日経平均株価と保有資産残高(「MRF+現物株式残高±信用建玉評価損益」)について、いつも翌日土曜日に夫々前週末と前年末対比の増減率をチェックしています。

 

6月28日 日経平均株価:前週末比+2.6%・前年末比+18.3%

                 グロース250:前週末比+3.6%・前年末比▲ 6.4%…旧マザーズ指数です。

              保有資産残高:前週末比+4.6%・前年末比+15.8%


今週末の日経平均株価は、前週末比+986円高と39,583円まで上昇して、いよいよ4万円台回復が視野に入ってきました。特にTOPIXは、下記グラフのように、トヨタや銀行株の上昇により、3月下旬につけた年初来高値を一時更新する場面も見られました。

 

そして、グロース株もやっと底打ちして上昇軌道に乗ってきた模様です。来週はずっとアルバイトで株式相場とは無縁なので、このまま波乱なく終わってほしいですねえ。