他県から然別湖へ向かうなら、方法は2通り。

 

とかち帯広空港は、通常は羽田便しかありません。他の空港からトランジットするか、新千歳空港に降りて、JRの特急で新得駅か帯広駅を目指し、路線バスで然別湖へ向かうというルートになります。

ここでは、帯広空港を利用するプランを紹介します。

 

羽田からは朝、昼、夕方、夜と、1日7便ほど。

 

朝7時代の便で羽田を発つと、帯広駅から11時発の然別湖行きバスに間に合います。一泊で、たっぷり楽しめるスケジュールですが、朝が辛い。

 

しかも、それ以降の便で飛ぶとなると、然別湖着が夕方5時前になってしまうので、せっかくの絶景は翌朝までお預け。これはものすごくもったいない。

 

そこで、いつも使うパターンは2泊。昼の便で羽田を発って、その日は帯広駅周辺のビジネスホテルで宿泊。買い物や十勝ならではの食を楽しんで、翌日11時発のバスで然別湖へ向かいます。

 

昼過ぎに現地に着いたら、ホテルに荷物を預けてタオルを借り、コタンを見てまわってから、氷上露天風呂に入る。これが、余裕があって絶景をたっぷり楽しめる旅程です。

 

帰る日は午前のバスもあるけれど、昼過ぎのバスまで現地にいて、氷上露天風呂や氷上散歩をすれば然別湖コタンを24時間満喫できます。

 

また、最初の晩は帯広で1泊する代わりに、路線バスで30分ほどの十勝川温泉に泊まってモール泉を体験しておくのもいいでしょう。泥炭由来の黒いお湯は、ほのかなオイルの甘い香りが独特。一度泊まった観月苑は、朝食バイキングが充実していて、ヨーグルトが絶品でした。

 

帯広市内にもモール泉が湧き出るので、温泉を引くビジネスホテルがあるほか、駅周辺には天然温泉の銭湯もあります。

 

 

 

駅から歩いて10分ほどの銭湯「たぬきの里」は、貸し切りの家族風呂のかけ流しが猛烈で、黒湯がドバーっとあふれて床が大洪水。湯が減っても、すぐに満水になる驚異の湯量です。

 

帯広がある十勝平野は、農業や酪農が盛ん。全国の和菓子の名店で使われる十勝産のアズキは有名です。空港から帯広駅に向かうシャトルバスや、然別湖へ向かう路線バスからは、広大な農地が見渡せます。

 

当然、美味しいものもたくさん。

 

 

帯広は豚丼が有名。

有名な豚丼は、駅の近くに名店が数軒あります。ネットで調べてから訪ねるといいでしょう。帯広駅では豚丼のお弁当も売っています。

 

平和園のジンギスカンをはじめ、カレーショップのインディアンは帯広のソウルフード。マルセイバターサンドで知られる六花亭の本店や、洋菓子店クランベリーのスイートポテトも試す価値あり。

 

 

 

予算に余裕のある人なら、駅からほど近い「北の屋台村」がオススメ。肉や魚、燻製、郷土料理など、様々な屋台が軒を連ねます。

 

 

インデアンは帯広一帯でチェーン展開するカレーライスの専門店。値段も手ごろで、学校帰りの高校生も利用するほか、鍋持参のお母さんも。

 

野菜を煮込んだルーが美味しく、初めはそれほど感動がないのですが、地元では「5回食べると美味しさが判る」という都市伝説があって、何度か通うと病みつきになるんです! 実際帯広滞在中は2度行くこともあるほどです。

 

帯広駅に近い“インデアンまちなか店”は、街にまったく溶け込んでいない“インドっぽい”建物が目印です。

 

 

帯広駅からちょっと離れた(1キロほど)、高橋まんじゅう屋は、地元で有名な老舗。

 

十勝小豆の自家製あんが入った大判焼きはもちろん、個人的にはチーズ味がおすすめ。塩味の効いたナチュラルチーズ入りで、チーズフォンデュのような濃厚な味が広がります。このほか、蒸しパンや肉まんも試す価値あり。酪農王国、帯広の味です。

 

時間があれば、帯広駅から徒歩10分の藤丸百貨店のデパ地下や、駅南口の長崎屋の食品売り場を要チェック。地元の食材が豊富で、北海道ならではの食べ物や、見たことのない食材を発見。ちょっと高級な藤丸、庶民価格の長崎屋と覚えておきましょう。

 

食品売り場でみつけたマフラーっていったい何? これはさつま揚げのこと。形がマフラーに似ていることから北海道ではこの呼び方が定着したのだとか。おでんに入れるとイケるらしい。

 

 

衝撃的なのが、コンビニエンスストアで売っているアメリカンドック。ケチャップにマスタードをつけるのが一般的ですが、ここではグラニュー糖をまぶします。これが北海道東部の道東スタイル

 

当然甘い。しかし、ソーセージの塩味と甘い砂糖が絶妙な味のハーモニー。注文する際、砂糖をかけてと頼めば、無料でサービスしてくれる。癖になるので、ためしてみよう。

 

そのほか、のぞいてみたいのが、北海道のコンビニチェーン、セーコーマート。地元の人は、セーコマ、セコマ、などと呼びます。地産地消に力を入れていて、北海道ならではの食べ物が豊富。特に100円の総菜が充実します。大手コンビニチェーンとちがって、低価格化にも力を入れているので意外にお得。帯広駅北口のバス案内所裏手にあります。

 

 

帯広で、必ず訪ねたておきたいのが、六花亭の本店。マルセイバターサンドが有名ですが、ここならではのお目当てがあります。

 

賞味期限が本日中のサクサクパイと、雪こんチーズ。パイ生地やビスケットが、クリームの水分を吸ってサクサク感が失われるからです。当然、道外では入手不可能のレアスイーツです。

 

店内の一角に無料のコーヒーサービスがあるので、買ったらスタンディングですぐに食べます。本店二階にはカフェがあって、ゆっくり味わうこともできます。

 

道内の一部直営店ほか、帯広空港にも店舗があって、上記のスイーツが購入可。北海道の食べ納めとして、帰りの機内でコーヒーを頼んでほお張るのが、帯広帰りの王道です。

 

そのほか、ザンギ(北海道風の唐揚げ)や、夏に食べた生のトウモロコシなど、手ごろでおいしいものを見つけられるのも帯広と、周辺に広がる十勝平野の楽しさ。

 

仕事を含め何度か訪れた帯広で、個人的におすすめな食べ物を紹介したけれど、繰り返し訪ねて自分で見つけるのが十勝の楽しみ方。見たこのないもの、聞いたものがないものがあったら、買って、食べて、口に合わなければ笑い話し。美味しかったら再訪する。するとまた違うなにかを発見できます。

 

そんな、ガイドブックに頼らない旅が面白い。

 

蛇足ながら、帯広駅から然別湖へ向かう路線バスのバスも楽しいです。北海道らしい景色はもちろん、あまりに手抜きなバス停の名前、「住宅前」には驚きました。同じ名前の「10線」バス停が2度あるのもビックリ。

 

然別湖の行き帰りは、十勝の味覚を楽しんでください。

 

来訪:2012年 夏、2014年 冬、2015年 冬、2016年 冬、

 

※この記事は、数年前、別のブログで書いたものを掲載しています。

飛行機は減便をし、現在と異なるところもあります。行かれる場合は、事前確認をお勧めします。