臣には、とても慌ただしい一日だった。
隆臣の保育園付き添いに始まり、隆二の浮気疑惑…。
そこから一転して久々の交わり。
理愛の帰還は正夢だった。
新しい家族との対面。
一日が半年にも、一年にも思えるくらいに、
目まぐるしい一日だった。
自宅に戻ってからも、その流れは続いた。
剛典の実家から飛んで帰ってきた乃愛と理太と二人の荷物も一緒に、剛典一家がその日の内に慌ただしく引き上げていった。
ベッドなど大きな荷物も早々に業者が引取りに来た。
乃愛は、といえば…
意外にあっさりしたもので、
「るーたん?いいの‼️また夢で会えるから」と、それだけ言い残して、理太をあやす理愛にまとわりついて、笑顔で帰っていった。
廉には、また明日からベビーシッターとして通ってもらうことにした。
登坂家に突如降臨した小さなお姫様の初の入浴は、隆二と2人で助け合いながら、何とか済ませた。
手がかかる分だけ、愛情がふつふつと湧いてきた。
りおに服を着せる時に臣が気づいた。
腰の上辺りに、蒙古斑だろうか?
よく見るとハートの形をしている。
(どこかで見たようなハートだな…)
蒙古斑なら、いずれ消えて無くなるだろう。
お風呂上がりで紫色ではなく、薄いピンク色したそのハートさえ、臣は愛おしく感じた。
色白のお姫様は慣れない旅に疲れたのか、
とても寝つきが良かった。
つづく