ELLY「あ‼こ…転ぶ‼」
健二郎「うわぁぁああ!アカン💦」
直己「ダメだこりゃ…うわぁ!」
ドドドド…っと三人が将棋倒しになり、玄関に荷物が散乱した。
隆臣はサッと隆二の方に身を寄せて巻き込まれずに済んだ。
放り出されたゲージの入り口が開き、ヒョウ柄のちび猫が飛び出した。
「ニャアオ」
うまく着地し尻尾を立てて隆二と隆臣の足元にやってきた。
隆臣「ニャーニャ!だいじょーぶ?」
隆二「隆臣も子猫ちゃんもケガしなかったか?」
健二郎「おーい…隆二!早く助けてくれっ」
折り重なっている三人の一番下にいる健二郎が助けを求めた。
隆二「ああ…待ってて!たっくんと子猫ちゃんはここでじっとしてなさい」
隆二が子猫を拾い上げて隆臣の膝に乗せた。
「ニャーニャ🎵びっくりしたね?いいこいいこ」
隆臣が子猫を恐々抱いて頭を撫でている。
上に乗っかっている直己から順番に手を貸して起こしていく。
隆二「なんでこうなっちゃったの?直己さん大丈夫ですか?」
直己「俺なら心配ない。ELLY、健二郎ケガしてないか?」
ELLY「大丈夫、問題ないよ♪」
健二郎「…三人同時に中へ入ろうってするからバランス崩したんや」
隆二「なにもそんなに急がなくっても 笑」
ELLY「EV降りた辺りで、ゲージから異様な匂いが漂ってきてさぁ」
健二郎「こりゃトイレのサインやろ?ってんでみんな慌てとったんやな」
目を細めて笑っていた隆二の表情が変わった。
隆二「…いや、ちょっと待った。何で子猫がいんの?」
健二郎「今頃気づいたんか?遅っ…」
隆臣「たぁくんにニャーニャー買ってくれたのよ♪」
隆二「誰が?健ちゃんだな」
健二郎「いや待って!俺ちゃうし💦」
隆二「…ELLYか?」
ELLY「stop!今市くん、俺じゃないって」
直己「隆二、俺が隆臣に買ってやったんだ。
少し早めの誕生祝いでな」
隆二「…ええ⁉マジッすか?」
直己「ああ」
隆臣「パーパ、ニャーニャおうちにきてもいいでしょ?」
「ミュー…」
隆臣が頬で子猫にすりすりしながら、おねだりの表情で隆二を見ている。
一同が固唾を飲んでいる。
隆二「直己さんには申し訳ないけど」
隆二「…絶対にダーメ!返してきなさい」
隆臣はびっくりして子猫を抱きしめた。
つづく