対日本戦 変化した北朝鮮サポーターたち「両国の国歌斉唱では立って我々も敬意を」 | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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(引用元Yahooニュースより)

 

〈日朝サッカー〉「国立で祖国は勝ったことがないけど楽しみだ」「両国の国歌斉唱では立って我々も敬意を」変化した北朝鮮サポーターたち…そんな渦中にロケット砲発射

 

 

 

 

 

 

 

↑Yahooニュースより

 

 

サッカーのワールドカップアジア2次予選の日朝戦が3月21日に東京の国立競技場で、26日に平壌の金日成競技場で、それぞれ行なわれるのを前に緊張感が高まっている。来日した北朝鮮チームを応援する在日朝鮮人同胞らは、本国の選手を間近で応援できることがうれしいといい、勝利への執着も日本への“敵意”もほとんどない。様変わりした応援事情を聞いてみた。

 

〈画像あり〉「コンギョ(攻撃)コンギョ」とゴール裏で応援する3000人規模の北朝鮮サポーター(2月末に行われた女子サッカー日本×北朝鮮戦にて)

「国立競技場での朝日戦では祖国が勝ったのは見たことがないんです」

 

「アンニョンハシムニカ」「パンガプスムニダ(お会いできてうれしいです)」

 

3月19日、北朝鮮チームが到着した羽田空港には朝鮮語の歓声が飛び交った。北朝鮮国旗を振って朝鮮総連関係者らが出迎える中、選手らは歓迎の花束を受け取ってバスに乗り込んだ。総連トップの許宗萬議長も出迎えに姿を見せるなど、本国チームの応援に全力を挙げている。

 

「日本政府は核・ミサイル開発を理由にした独自制裁で北朝鮮国籍を持つ人の入国を原則禁じていますが、スポーツの国際大会の選手らは例外です。2月28日に国立競技場で女子サッカーのパリ五輪アジア最終予選があったことは記憶に新しいですが、今回も同じように選手らの入国が認められました」(大手紙外報部記者)

 

19日の空港で総連関係者は「2月の女子チーム来日のときはチームの到着が深夜だったのに出迎えが200人にもなりました。今日はもっと多いですね」と話した。

 

2月の女子の試合を国立競技場で観戦したという30代の女性は「新型コロナウイルス感染が原因でウリナラ(祖国=北朝鮮の意味)へは2020年から行けなくなりなり、恋しく思っていました。競技場で女子選手がスタンドに手を振ってくれたのを見て、涙が出ました」と、日朝戦を見て感激した心情を振り返る。

 

空港まで出迎えにきた理由を聞くと「アウェーの地に来た選手は緊張するでしょうし、着いたときに同胞が応援すれば、小さくても力になれるんじゃないかと思って来ました。きょうは若い学生も来ていますが、彼らにとっても、祖国に接することができるこの一瞬は大切なんです」と話した。

 

2月の女子の試合では、朝鮮総連はアウェー側のゴール裏のチケットを3400席押さえ、一帯は北朝鮮のチームカラーの赤で染まった。「今回も総連は3000席を押さえましたが、観戦希望者が多いことから、さらに応援エリアを拡張できないか日本側に打診しています」(スポーツ紙記者)

 

実は、在日同胞社会では試合の見通しにあまり大きな期待はかけていないという。「日本の強さは認めざるを得ないでしょう。わが国のチームがどこまで食らいつけるか…。まあ、期待はそんなにせずに見守るつもりです(笑)」(関係者)

 

さらに、昔から来日する北朝鮮チームの応援を続けてきた中年以上の在日朝鮮人には別の気がかりもあるという。

 

「会場です。国立競技場での朝日戦では祖国が勝ったのは見たことがないんです。若いときから、あそこではいつも負けていました」(50代の男性)

 

実際、歴代の日朝戦の対戦成績は日本が8勝、北朝鮮が7勝、引き分けが4だが、国立競技場で行われた1985年と89年の日朝戦はいずれも日本が勝利しており、青年期に来日した北朝鮮チームを応援した人には国立競技場は“トラウマの地”になっている感さえある。

 

26日の平壌での対戦は日本人サポーターは「皆無」だが…

 

一方、1990年代まで活発な外交が行なわれた日朝の関係は、北朝鮮による日本人拉致や核開発を機に2000年代からは対立が激化したが、サッカーの応援風景は逆の方向に大きく変わったという。在日朝鮮人の男性が振り返る。

 

「私も2月の女子の試合を国立競技場で観ましたが、昔と大きく変わったのは国歌への態度です。私たちの(北朝鮮の)国歌が流れたときに日本のサポーターが敬意をもって立って清聴したのに続き、君が代が斉唱されたときは、私も周囲の同胞も同じように立って耳を傾けました。

 

1989年の試合では君が代がかかると『座ろうぜ』との声がかかって、実際に座ったりもしましたし、試合に負けると周辺で(同世代の日本人との間で)普通に喧嘩まで起きていたものです(苦笑)。そうしたことはもうなくなりました」

 

この男性は「女子の試合は(北朝鮮が)負けましたが、いい試合で見ていて楽しかったです。勝っても負けても応援できることがうれしいです」と、応援に行くこと自体が楽しみだと話す。

 

他方、26日の平壌での対戦は、日本サポーターは「皆無」と言っていいほどの完全アウェーになる。試合が生中継される見通しがなく、日本のサポーターからはリアルタイムで見られない状況を懸念する声が出ている。

 

これに絡んで日本外務省は平壌での試合に先立ち、北朝鮮担当者を訪朝させると伝えられている。日本外交官の訪朝は、少なくとも2020年1月末にコロナを理由に北朝鮮が出入国を厳格に統制しはじめて以降は初めてだ。

 

「北朝鮮は昨年5月に外務次官が『日本が関係改善を模索するなら朝日両国が会えないことはない』と表明しました。今年1月の能登半島地震に際しては金正恩氏が岸田文雄首相に宛て見舞いを伝え、2月にも妹の金与正党副部長が、日本の態度変更を前提にしながら『首相が平壌を訪問する日もあり得る』との談話を発表しました。

 

日本との対話を模索するこの流れは維持しているもようで、平壌で日朝の当局者は当然、サッカー以外のことでも意見を交わすでしょう」(日朝筋)

 

ロシア大統領選まで目立つ動きを控えていた

 

表向き北朝鮮は、今月4~14日に米韓が行なった大規模合同軍事演習「フリーダムシールド」の期間中に弾道ミサイル発射など報復的な軍事デモンストレーションを行なわなかったが、18日には口径600ミリの超大型ロケット砲を6発同時発射する訓練を、19日には新型の中・長距離極超音速ミサイルに用いる固体燃料エンジンの地上噴出試験をそれぞれ実施し、いずれも金正恩氏が立ち会ったと北朝鮮メディアは報じた。

 

「18日の超大型ロケット砲は平壌付近から発射されて北東方向へ約350キロ飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側の北朝鮮沿岸部に落ちました。日本政府は抗議しましたが、北朝鮮にとっては日本の領海近くに落としたわけでもなく、日本を威嚇するつもりはなかったでしょう」と北朝鮮ウォッチャーはみる。

 

「北朝鮮は近年、米韓演習の期間中に対抗した形で発射することを避けるケースが時折見られます。無意味な緊張激化を避け、攻撃能力の向上のための実験や訓練に集中しているようです。

 

今回18日から発射を再開したのは、中国の全国人民代表大会(全人代)の終了(3月11日)やロシア大統領選の大勢判明(18日)に関連しています。この期間は目立つ動きを控え、これらが過ぎたので核戦力開発の動きを“通常運転”に戻した可能性があります」(同上)

 

北朝鮮が日本との対話を探る意志を本当に持っているなら、日本代表が平壌から帰国するまでは、中ロに対するものと同等の“配慮”を見せて軍事行動を控えるとの見方もある。試合の行方とともに北朝鮮の動きも要注意だ。

 

 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班