ファックスで呼び出して
持ち合わす交差点へ
霧雨の街角を
無意識に急ぎ足
週末を待てないと
正直に送ってみた
胸のうち追い駈けて
群衆に流れ出た
信じあっているのに
確かめあうだけの約束
発作的な不安を
僕はもう誤魔化せない
腕の中に強く
君を抱きしめながら
キャンドルのように
灯したい明日
腕の中に強く
君を抱きしめながら
出来ればずっと二人でいたくて…
一時間遅刻して
ゴメンネと笑う君を
目の前にしてみれば
とりあえずホッとする
スカートの雨粒を
手のひらで払う君の
見慣れないマニキュアが
サヨナラに見えてくる
見つめている間に
僕の心までが雨空
悲観的な予感が
ゆっくりと通り過ぎる
腕の中に強く
君を抱きしめながら
キャンドルのように
灯したい明日
腕の中に強く
君を抱きしめながら
出来ればずっと二人でいたくて…
想わず傘を投げ捨てて
群衆から孤立する
二つの影
二重の愛
いつまでも続く雨…
腕の中で遠く
君の心がゆれる
僕にはそれが
皮肉にもわかる
腕の中で遠く
君の心がゆれる
僕しか見ない瞳が不自然…
腕の中で遠く
君の心がゆれる
僕にはそれが
皮肉にもわかる
腕の中で遠く
君の心がゆれる
僕しか見ない瞳が不自然…
腕の中で遠く
君の心がゆれる
僕しか見ない瞳は初めて…
【読み方の補足】
間に=まに 二重=ふたえ
【注釈】冒頭の「ファックスで呼び出して」が、今の時代には合わないとは思いますが、「そんな時代もあった」という回顧録的な作品として、当ブログでも発表致します。