風が鳴いている 寒い夕暮れは
必ずオマエの靴音がする
ベルも鳴らさずに そっと上がり込む
ホントにオマエは 隙間風みたいだ
何か訳ありで 訪ねて来たくせに
散歩のついでにでも 寄った顔をする
酒はいつもの棚にあるから
好きに飲んでろよ 後でつきあうよ
オレの仕事にキリがついたら
いっそどこかへ 飲みに行こうか
空を見上げて 急に立ち停まり
彼女が出来たと 照れながら呟く
そうか二年ぶり 春が巡ったか
スーツとオマエの つじつまが合ったよ
そこの居酒屋で ひとまず落ち着こう
暖簾をはらう腕も 恋に浮かれてる
愚痴を聞くのは嫌じゃないけど
返す慰めに オレの気がめいる
今日はノロケが酒の肴か
思う存分 自慢していけ
今日はビールで冴える頬笑み
オレのおごりだ 遠慮するなよ