石原氏の衆院予算委員会での質問、下駄を脱がされたという

エピソードはおもしろかったが、そのくらいで

70年も腹を立てているのに、戦争で負傷させられたり

強姦されたりした人たちの痛みには思いが至らないのだろうか。

尖閣諸島に艦船を送れ、防衛識別圏設定については

撃墜されないよう気をつけよ、とこれらはすべて愛国者を装った

日本を破滅に導く売国発言で、しかも棚上げになっていた

尖閣問題に火をつけたのは自分の都有地化であったことには

頬かむりをしている。

兵器についてはある程度詳しいようだが、

戦争については無知なようだ。

これから無人機や電磁波兵器が主流になっていくのだろうが、

それにしても最後は占領が要る。

その兵士が、負傷したときのことだけは考えているようだが、

そもそも負傷させない努力が大事ではないのか。

何よりも不幸にも戦争が始まった(誰かが始めた)とき、

(それは絶対避けなければならないが)その兵士の食料を、誰が

生産するのか。

‟正史”では―いや、このことは文部(文科)省検閲教科書では

この程度のこともかかれていないかもしれないが、

アメリカと戦うに至った原因は対中国戦が長引き、

それは‟援蒋ルート”ーベトナム経由でのアメリカからの

中国への武器弾薬の補給のせいだ、これをつぶすしか

ないと主張されたからではないのか。

ところが中国への補給路を断つ以前に、自国の兵士への

補給ができていなかったのだ。1937年に中国に兵士として

行かされたMさんのお話では、補給は初期のみ、

また補給があっても弾薬のみで食料はなくなったそうだ。

中国と敵対し、アメリカは東京裁判の間違いを認めよと

説得して味方になってもらうというバカ色の夢を抱いて

いるようだが、アメリカから小麦とコーンを大量に輸入し、

中国から大量の蔬菜を輸入して、大量の製品を買ってもらいながら

どうやって中国と敵対し、どうやってアメリカに

自国の過ちを認めてもらえるのか。

中国は日本の領土領海を奪うかもしれない国だという文脈では

中国性悪説、金がらみでは性善説、アメリカは日本の食料生産国

という点では性善説、東京裁判の誤りを認めないという文脈では

性悪説、この矛盾を一言で括ると、我田引水唯我独尊、いや、

要するに、ただひたすら戦争をしたい、少なくとも臨戦態勢の国に

していって軍事産業およびそれを抱えた国際金融資本に税金を

できるかぎり注ぎたい、つまりこうした勢力の手下ですということだろう。

ほんとうに日本を憂えるなら戦争準備の前に兵站<へいたん>の心配

をせよ。