鳩山邦夫氏が、新党を結成する趣旨とし、このまま社会主義的施策が行われていったら日本が社会主義になるのではないかと危惧したのだと言明したようです。弱者の生存権の保障は、現代憲法の特長のはずなのですが。ただ“平等”をつきつめていくと社会主義との境目はグレーになることは否定できないでしょう。逆に言うと、資本主義は、自由競争に負けた者は貧窮にあえいでもしかたがないという価値判断です。

 が、社会主義の概念を構成する、国家による計画経済という点に着目したとしたら、資本主義では、国家による計画は自由競争を阻害する要素となるはずでは? 

 もしこう言ってよければ、日本はずっと社会主義だったのではないでしょうか。

 税金を投じて、高度経済成長時代は港や道路を造って企業の高収益を実現しようとしてきたし、電力会社が原発を造るために地元で飴をたくさん撒けるようにしてきたし、国民が発電の種類を選べないように電力会社を地域独占にしてきたし、ごく最近もエコポイントなとで特定の業種の収益を確保する策を講じています。