光村「国語」2年教科書に、谷川俊太郎さんの詩「みんみん」が掲載されています。「夏が いっぱい」という7月の教材単元の中での紹介です。

「夏が いっぱい」という単元は、子どもたちから「夏」に関わる事物を出させて、それらをまとめていくという教材です。

 

「みんみん」の取扱いは、初夏の事物がふくまれている詩としての紹介です。

 

ぼくには、「みんみん」の詩に対しては深い思いがあり、光村「国語」2年生に掲載されるずっと以前から、子どもたちと何度もこの詩を楽しんできました。

谷川さんの『ふじさんとおひさま』という詩集に、この「みんみん」を見つけた時には、小躍りしたくらいです。出会いの面白さを感じるには、この詩を、謎解きのように読んでみたらきっと面白いと考え、今回も、計画より早めの授業で読みあってみました。

子どもたちとのやり取り(応答)をしながら、30分弱で、暗唱までできました。

その授業より。

 

    ピンク音符音符ブルー音符音符むらさき音符

 

「みんみん」 谷川俊太郎

Ⅰ≪視写しながら応答する読み≫
板書します。題名と作者名です。子どもたちにはノートに視写してもらいます。
板書という「古典的な」方法、ぼくは大事にしたいと思っていました。シンプルだけれど学びにとっては「教材との対話」という意味を持ちます。

みんみん
     谷川俊太郎


「みんみん」と書き写しながら、子どもたちは「セミだね」とつぶやいています。
「谷川」という名前もゆっくりぼくが書くので、「ハ」「合」などと言って写せます。
「にんべんに、ムを書いて、ルをはね、クに、右ばらい」、これで「俊」です。
「てん(﹅)、ヨに、たてぼうはね、とめ、3みたいに、たてぼう」、これで「郎」。

ここから一行ずつ板書しながらやり取り(対話)していきます。

①みんみん なくのは ○み
「みんみんなくのはな~んだ」「そりゃあ、せみ以外にないでしょ」

②そうっと ちかづく ○み
「①はせみなんだから、そうっと、近づいて……手にもつのは」「……あみだ!」

「①と②まで写して気づくことはないかな」
*「①と②はお話のようにつながっているよ」
*「4ー4ー2音 だ。」
*「『○み』となっている」

「じゃあ続けてみよう」

③はやしの むこうに ○み
脚韻(行の最後を同じ韻にする)である「○み」から考えます。
情景・様子をイメージしてみましょう。
せみの泣いているのは、林。あみを持ってるぼく。向うに見えるのは…。
「ごみだ!」
オイオイです。
「うみだよ」です。

④きらきら かがやく ○み
見ています、海を。輝いています。「なみだ!」「きれい」
これで一連は全て。読んでみます。
3・2「みんみん なくのは」 子ども「せみ」 応答しながら音読です。

子どもたちと。リズムを打ちます。4拍子⇒8ビート
「みんみん(1・2・3・4) なくのは(1・2・3・4) せみ(1・2)(休み1・2)」
「そうっと(1・2・3・4) ちかづく(1・2・3・4) あみ(1・2)(休み1・2)」
「はやしの(1・2・3・4) むこうに(1・2・3・4) うみ(1・2)(休み1・2)」
「きらきら(1・2・3・4) かがやく(1・2・3・4) なみ(1・2)(休み1・2)」

「二連だよ」
⑤よびごえ きこえる ○み
書き写し終えたら、とつじょ「お~い!」と大声をかけます。
「びっくりしたぁ」「みみがびりびりしてる」
「あっ、みみだ!」
こういうあそびは楽しいなあ。

⑥いちばん なかよし ○み
「三二センセイ、ヒントちょうだいよ」
「イヤだね、き、み、には教えないよ~だ」
「イジワル!」「??」「あっ、きみだよ」

「この行は、一番のなかよしの子を指さして読んでみよう。サンはい。」
「いちばん なかよし きみ!」
メリハリの利いた音読になります。

⑦とこやに いったね ○み
「あれ、きみ、とこやに行ったでしょう?イケメンになってるよ」
「うん、かみ長かったから切ってもらったんだ」「かみだ」

⑧まっかに みのった ○み
「真っ赤に実るものってなにかなあ」
「りんご?」「ミニトマトじゃない?」「サクランボもある」「かき?」
「ざんねんでした。みんなちがいます。サクランボよりちょっと小さくて、少し細長い、オレンジ色よりも濃い色、木になるものです。ぼくは子どものころ食べたよ。ちょっとシブい感じもあったなあ。」
「ふ~ん。」
「そうだ、同じ名前のお菓子がある。ぷにゅぷにゅしてあまいけど」
「ぐみでしょ。」と、下の写真のぐみ(茱萸)を知ってるという子もいました。


こうして視写と応答であっという間に読みました。

(②/2に続く、次の記事6月25日です)

 

それは、これ。↓