1940年の日本といえば、すでに日中戦争も始まり、太平洋戦争に突入する直線の重苦しい時代というイメージを我々は持っているが、本書によると、世間はモダンで明るい時代だったとしている。
その一瞬の明るい時代の象徴として、1940年に予定されていた「テレビ放送計画」「弾丸列車」「東京万博」の3つの計画を紹介している。

こういうのを読むと、なぜあのような戦争をしてしまったのかと、なんとも残念な気持ちを強くする。

戦争経済によって景気が向上したりするケースもあるのだろう(実際、第一次世界大戦や朝鮮戦争が日本に好景気をもたらしたことは異論の無いところだろう)が、何の見通しも無いままに泥縄式で開戦してしまった愚かな戦争は、どのような説明を以ってしても正当化することはできまい。

それにしても、著者が何者かと思ったら、ホイチョイ関連の人なんですね。
言われてみれば、物事に対するアプローチの仕方がホイチョイっぽいなーと。


幻の1940年計画―太平洋戦争の前夜、“奇跡の都市”が誕生した/指南役
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