幕末の大博徒・清水次郎長を史学的観点から洗いなおした一冊。

パチンコ台のCMで清水次郎長役の中村雅敏がよく地上派に登場している頃に買った。
CMを見ながら、「えー、森の石松って清水次郎長の子分だったんだ?!」などと言ってしまう自分の無知を恥じて、これは一度勉強し直さねばなるまいと本書を買ったのだが、史学的観点から洗いなおした本であるだけに、巷間で流布しているような次郎長物語についてはあまり詳しく書かれていなかった。

やっぱり最初は、普通に次郎長の話を書いている本を読んでからのほうが良かったように思う。

ただ、本書の取り組みは非常に面白いものであり、信用できる史料が少ない中でよくここまで市井のヒーローの姿を浮き彫りにできたものだと感嘆する。


清水次郎長――幕末維新と博徒の世界 (岩波新書)/高橋 敏
¥840
Amazon.co.jp