祖国の防衛を他国の軍隊に任せた国は、その「他国」に食い殺される | 産経新聞を応援する会

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祖国を護ることを放棄した国は、滅亡への道を歩き始めた国だ。祖国の防衛を他国の軍隊に任せた国は、その「他国」に食い殺される。それが自然の習わしである


 

朝鮮特需の代償


1950年、日本の国民総生産(GNP)は3兆9470億円であった。その3分の1という巨額が「特需」として日本を潤した。隣国の流血が日本の命を救ったかのように見えた。

金は儲かったが、日本が払った代償は安くはない。

この朝鮮戦争で、日本占領が早く終わり、日本が独立することができたと言う人たちもいるが、現実は甘くはない。それほど単純でもない。

アメリカが多大な犠牲を払い、勝ち取った日本を、そう簡単に手放すわけがない。その理由もない。

第2次世界大戦でアメリカ兵の戦死総数は40万7316名。日本兵、150万、戦死。一般市民の戦死は100万人ほどか。



日米安保


1951年9月8日に調印され、翌年4月28日に発効した「サンフランシスコ平和条約」でアメリカの対日本軍事占領は終結した。GHQは廃止された。日本は独立した。

その引き換えに、日本はアメリカ国防の最前線の砦にされたのだ。日米安全保障条約が、その証書だ。

マッカーサーが連れてきた占領進駐軍は、そのまま日本に居残り、沖縄から北海道に存在する「アメリカの基地」で、日本とアジアの動向を観察している。



亡国への道


「アメリカが日本を護ってくれる」「日本は軍事費に金を使わなくてもよいので、その金を経済復興に使える」「第9条があるので......」「日本が軍隊を持つとアジア諸国が怒り、友好関係が崩れる」

このような、常識となっている台詞を並べてみると、独立国家としての誇りの欠片もない。

祖国を護ることを放棄した国は、滅亡への道を歩き始めた国だ。祖国の防衛を他国の軍隊に任せた国は、その「他国」に食い殺される。それが自然の習わしである。

日本は、「アメリカ・ドル」の輝きに目が眩み、「国」を売ったのか。


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この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

 

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。 同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。