島根県松江市の宍道駅から広島県庄原市の備後落合駅に至る路線距離81.9キロメートルの木次線はかつて、陰陽連絡路線の一つとして機能していたが、山陽新幹線の開業と伯備線の電化、また道路整備が進んだことによる自家用車や高速バスの増加により、1990年代以降はその役割は失われた。

 

2016年度の木次線平均通過人員(輸送密度)は204(人/日)で旅客運賃収入は6,400万円。

 

山際にひっそりと佇む亀嵩駅は、木次線の出雲三成駅-八川駅間延伸により1934(昭和九)年11月20日に開業。

 


終点に向かって左側に駅舎と1番線がある片側1面1線で運用されている。

 

 

当初は相対式2面2線で運用されていたが、後年2番線が撤去され現在のような停留所構造となった。

 

駅舎内の待合室には開業当初の出札窓口や窓枠などが残っていて、訪れたものに郷愁を感じさせる。

 

 

2007(平成一九)年4月、木次駅-三井野原駅間の各駅に『古事記』『日本書紀』に因む愛称が付けられた。当駅は近くにある湯野神社の祭神に因み「少名彦命」の愛称で呼ばれている。

 

 

終点側、出雲横田方面。

 

 

起点側、出雲三成方面。

 

 

国産蕎麦粉と奥出雲の天然水を使用した手打そばが有名で、遠方からも訪れる人が後を絶たず、休日の昼時などは長い待ち時間が発生するほどの盛況ぶりを呈している。

 

 

駅はJR西日本米子支社木次鉄道部の管轄だが、乗車券の販売はそば店の店主に委託されている。

 

◆施設概要

【名称】亀嵩 (かめだけ)

【所在地】島根県仁多郡奥出雲町郡村335番地

【所属事業者】西日本旅客鉄道株式会社

【所属路線】木次線

【キロ程】45.940km(宍道起点)

【駅構造】地上駅

【旅客ホーム数】1面1線

【乗降客数】23人/日(2016年)※降車客含まず

【開業日】1934(昭和九)年11月20日

●周辺施設

湯野神社(「砂の器」記念碑) 約3.5キロメートル 自動車3分

道の駅酒蔵奥出雲交流館 約4キロメートル 自動車4分

亀嵩温泉玉峰山荘 約4.2キロメートル 自動車5分

 

◆参考資料

『山陰駅旅』 今井印刷 発行

データで見るJR西日本2017:区間別平均通過人員および旅客運輸収入(2016年度)