讃州讃岐の琴電様のビルが見えます波の上。

 

 

高松市の中心市街地に位置する瓦町駅は、1912(明治四五)年4月30日、高松電気軌道(現 長尾線)出晴駅の開業に次いで1915(大正四)年4月22日、東讃電気軌道(現 志度線)の駅として開業。隣接して1927(昭和二)年4月22日、琴平電鉄高松駅(現 琴平線)が開業。

 

 

1938(昭和一三)年8月施行の「陸上交通事業調整法」により、1943(昭和一八)年11月11日、高松電気軌道・讃岐電鉄(旧東讃電気軌道)・琴平電鉄の3社が合併して高松琴平電気鉄道発足。

 

1945(昭和二〇)年7月4日未明から明け方にかけてアメリカ軍によって実施された高松大空襲により出晴駅が焼失。これに伴い同年7月30日、長尾線と志度線が琴電高松駅(現 瓦町駅)に起点を変更。1948(昭和二三)年2月18日、築港線片原町駅-琴電高松駅が開通、当駅は中間駅となる。1954(昭和二九)年1月1日、当駅の名称を「瓦町」に改称。

 

「高松の中心に戦後の焼け跡が残っている」とも揶揄された高松大空襲にも耐えた十角形の旧琴電瓦町駅ビルの建替えを含む瓦町駅大規模再開発事業が1970年頃から計画されてきた。その着手に伴い1994(平成六)年6月26日、志度線ホームを現在地に移転し瓦町駅止まりとなり、代わって長尾線が高松築港駅直通となる。同年11月22日で旧瓦町駅舎は営業を終了、解体された。

 

1996(平成八)年12月21日、地上11階地下3階のコトデン瓦町ビル竣工。フロア構成は1階が乗り場及び売場、2階が駅事務室・改札及びコンコース、売場、地階及び3階以上が売場。

 

 

1997(平成九)年4月23日、四国一の売場面積29,500平方メートル、売上目標300億円を掲げてコトデンそごうが同ビルのキーテナントとして華々しく開業。

 

 

1996(平成八)年から2001(平成一三)年までの間、そごう本体がロゴカラーに用いた翡翠色が時代を表している。

 

1997(平成九)年に導入された京王5000系車両は、従来のファンタゴンレッド×オパールホワイトではなく、コトデンそごうのPRを兼ねて包装紙の色を連想させる白地に窓周りに青緑と黒を配した「そごうカラー」と呼ばれる塗装が施された。

 

 

コトデンそごう開店当初、大家の琴電本社に対して支払う年間賃借料は40億円。ところがバブル経済崩壊後の景気低迷などにより初年度の実績は目標の8割にも及ばず、以降も毎期20億円前後の赤字を計上。これが店を開けるだけで1日500万円の赤字が発生するという報道の所以。その後年間賃借料は14.5億円まで引き下げられたが、売上不振に加えて、2000(平成一二)年7月12日のそごうグループ破綻による信用低下などにより2001(平成一三)年1月22日、246億円の負債を抱えて経営破綻し、同年4月15日閉店。

 

同年9月1日に高松天満屋が開業したが、年間賃借料のさらなる大幅な減額による琴電本社の減収に加え、コトデンそごう開業時の債務保証350億円が致命傷となり同年12月7日琴電本体が連鎖倒産。2002年8月8日の新経営体制発足により顧客サービスが飛躍的に改善している。

 

 

2014(平成二六)年3月31日、高松天満屋閉店。

 

 

2015(平成二七)年10月23日、瓦町フラッグ開業。

 

 

建替え当初の都市計画案では、まちを分断する琴電の軌道を高架化し活性化を図ろうとする「琴電連続立体交差事業」により、コトデン瓦町駅の3Fにホームを移設し、駅ビル内を電車が通過する計画に基づきビルの3階の階高が他フロアの2倍の高さを設け、エスカレーターも東西の壁際にそれぞれ1基ずつ設置されるといった特異な構造をしている。

 

 

また、高架事業完了後には、1Fにまちの東西を結ぶ道路が開通する予定であったというが、景気の長期低迷による県の財政難や旧琴電の経営破綻によって本計画は中止となった。

 

周辺に滅多矢鱈と広がるぺデストリアンデッキはその名残。

 

 

琴平線は島式ホーム1面2線(1・2番線)。

 

 

長尾線は片面ホーム1面1線(3番線)。

 

 

長尾線は片原町側で琴平線に合流。

 

 

ぺデストリアンデッキを歩いてみたら、南へ下ると「こんぴらさん(金刀比羅宮)」。

 

 

南東へ下ると「ながおさん(長尾寺)」。

 

 

ぺデストリアンデッキが琴平線と長尾線の真上を走っており、計画完成時にはこの上を電車が走る予定だったことが分かる。

 

 

長尾線花園駅寄りに有効長6両分と4両分の留置線が設けられている。

 

 

志度線はビル東側の道路を隔てた場所に設けられた頭端式ホーム1面2線(4・5番線)。ラッシュ時以外、発着は4番線のみを使用。なお、琴平線・長尾線とは線路が繋がっていない。

 

 

琴平線・長尾線と志度線の乗換は2階から通路で連結しており、利便性を高めるためムービングウォークが設けられている。

 

 

ぺデストリアンデッキは北東へ延びる志度線へと続く。

 

 

ビル東側外壁には「瓦町駅東口」という表示以外のサインは皆無で、どことなくそごう建築の名残を感じさせる。

 

 

◆施設概要

【名称】瓦町

【所在地】香川県高松市常磐町1丁目3番地1

【所属事業者】高松琴平電気鉄道

【所属路線】琴平線・長尾線・志度線

【キロ程】

琴平線1.7km(高松築港起点)

長尾線0.0km(瓦町起点)

志度線0.0km(瓦町起点)

【駅構造】地上駅(橋上駅)

【旅客ホーム数】3面5線

【乗降客数】13,142人/日(2015年)

【開業日】1927(昭和二)年4月22日

●周辺施設

瓦町FLAG 駅上 徒歩0分

常磐町商店街 駅隣接 徒歩2分

百十四銀行本店 約550メートル 徒歩6分

香川県庁 約900メートル 徒歩10分

 

◆概要

【名称】コトデン瓦町ビル

【所在地】香川県高松市常磐町1丁目3番地1

【建築主】高松琴平電気鉄道

【設計】石本建築事務所

【施工】大成建設・東急建設JV

【竣工】1996(平成八)年12月21日

【構造】不明

【階数】地上11階・地下3階

【延床面積】91,106平方メートル

【キーテナント】

コトデンそごう 1993(平成五)年4月23日―2001(平成一三)年4月15日

高松天満屋 2001(平成一三)年9月1日―2014(平成二六)年3月31日

瓦町FLAG 2015(平成二七)年10月23日―

 

◆参考文献

『琴電100年のあゆみ』 森貴知 著 JTBパブリッシング 発行

『琴電-古典電車の楽園』 後藤洋志 著 JTB 発行

『ことでん長尾線のレトロ電車』 大島一朗 文・写真 川波伊知郎 写真 JTB 発行