博労町一丁目から角盤町二丁目を抜けて、灘町まで延びる称名寺縄手道と新小路が交わる一角にポツンと取り残された家屋に地蔵堂が付属している。

 

 

寺町の入口に立つことから「寺町地蔵」と呼ばれるが、加茂川地区の地蔵尊で唯一北向きであることから「北向き地蔵」ともいわれている。

 

 

米子の中心市街地には三十六の地蔵尊が祀られており、それを奉納したのが浪速の名匠と呼ばれた「彦祖」であったと伝わる。

 

彦祖は代々伊兵衛と号す宮大工で、出雲国の日御碕神社造営に下りった。その帰途中に子供が出来たため、米子に永住し大工頭を務めた。彦祖は水死した子供を哀れみ、三十六地蔵の建立を発願し、瓦葺の祠堂を建てたといわれている。

 

米子では、新仏さんが地蔵尊にお守りいただき無事に極楽浄土へと至るこができるよう、七日毎にお地蔵さんを巡礼して白い札を打ち、浄土への無事到着を願い、七七日(四十九日)目に赤い札を貼り法事を行うという風習がある。

 

 

中国地方最高峰の大山は地蔵信仰の中心で、米子の地蔵信仰との関連性が認められ、2016年4月「地蔵信仰が生んだ日本最大の大山牛馬市」が文化庁に日本遺産として認定された。米子市を含む鳥取県西部地域1市3町がそのエリアとなる。

 

米子で地蔵盆が始まったのは天明の頃(18世紀後半)で、宮大工「彦祖」が京風の地蔵祭りを広めたと伝わっている。また、山陰海岸の漁村で今も行なわれている地蔵盆は、京都・琵琶湖沿岸の地蔵信仰が、越前・若狭地方から北前船に乗って海路伝わって来たと考えられており、米子もそのうちの一つとされる。

 

現在も米子は地蔵盆が盛んで、旧加茂川筋を中心に8月23日の夜、子供たちが地蔵に花や菓子を供え、提燈に火を入れて楽しい時間を過ごす。

 

 

米子の人々は、旧加茂川を現世と冥界の間に横たわる三途の川に見立て、その川岸に地蔵を祭り、前世利益と来世救済を願った。

 

 

きょう23日は彼岸の中日で、その翌日が陰の日の初日。すなわち冥界の入口に当たる地蔵常在の日。これに合わせて加茂川の清流復活や子供の安全と健やかな成長とお年寄りの健康長寿の願いを込めて「第35回加茂川まつり」が開かれる。

 

 

■「第35回加茂川まつり」 おもなイベント

・お地蔵さんスタンプラリー

開催時間:午後4時30分-午後7時30分

粗品交換場所:加茂川広場(立町2丁目)

お地蔵さんまつり会場21ヶ所に設置されたスタンプすべてを押した方、先着300名に粗品進呈。

・キャンドルナイト・イン・加茂川

開催時間:午後6時-午後8時

開催場所:糀町から灘町までの加茂川沿い

・加茂川夕涼み船遊覧

開催時間:午後6時から1時間程度

乗り場:尾高町船乗り場

参加費:一人1,000円

定員:10名

申し込み先:090‐6837‐2731(住田)

・加茂川音頭踊り体験

開催時間:午後5時30分、午後6時30分

開催場所:加茂川広場(立町2丁目)

・第3回加茂川まつり写真コンテスト

各町内の地蔵盆やスタンプラリー、キャンドルナイト、加茂川遊覧などの加茂川まつりの風景を一枚の写真で伝える作品。10月1日から募集開始の『米子城・魅せる!写真コンテスト』の「加茂川地蔵」部門として、米子市と共同開催。