関西ではなじみあるこのマーク。

 

スーパー「イズミヤ」のロゴです。

 

サン・チェリヴァ 2014.10.07

このマークをずっと「花」だと思っていましたが、実は「太陽」です。右側の橙色はコロナ、左側の緑は草を指しているということです。

イズミヤは、関西(大阪58、京都12、兵庫12、奈良4、滋賀1、和歌山2)を地盤に、関東(東京1、千葉2、茨城1、栃木1)中国(岡山1)、九州(宮崎1)にGMSを展開する中堅スーパーです。

 

1921(大正一〇)年5月、大阪市西成区花園町で、いづみや呉服店として創業しました。

 

2003(平成一五)年6月、百貨店の高島屋が運営していたスーパー「高島屋ストア」を買収。

 

今年6月1日には、阪急阪神百貨店などを傘下に持つ、エイチ・ツー・オ―リテイリングと株式交換により経営統合しました。

 

このマークを見つけたのは「ヤマタノオロチ伝説」始まりの地、雲南市木次町。

 

サン・チェリヴァ 2014.10.07

ヤマタノオロチの化身とされる斐伊川沿いにあります。

『古事記』によると、高天原を追放された須佐之男命が、斐伊川沿いでひと休みしていると、箸が流れてきたので拾ったといいます。そして川上を訪ね、稲田姫を生贄に所望したヤマタノオロチを退治し、めでたく夫婦となります。
 
斐伊川・木次大橋 2014.10.07

箸を拾った場所は、ここから約1km上流にあります。

この斐伊川堤防の桜並木は、「日本の桜並木100選」に選定されています。
 
斐伊川土手 2014.10.07
八俣大蛇公園案内板 2014.10.07

現在は「八俣大蛇公園」として整備されており、「八俣大蛇と須佐之男命が対決している石像」と「箸拾いの碑」が設置されています。
 
八俣の大蛇公園 2012.06.05

冒頭に紹介したロゴはイズミヤと同じですが、その下に見えるロゴは「チェリヴァ」。
 
サン・チェリヴァと木次大橋 2014.10.07

この建物は、同社の子会社「木次リテイル・サービス」が運営するショッピングセンターの「サン・チェリヴァ」です。
 
サン・チェリヴァ 2014.10.07

島根県松江市の宍道駅と広島県庄原市の備後落合駅を結ぶ、JR木次線の木次駅前に立地しています。
 
JR木次駅 2014.10.07
JR木次駅 2014.10.07

スーパーの他に、多目的ホール「チェリヴァホール」や市商工会の支所が入居する複合施設です。
 
サン・チェリヴァ-木次経済文化会館 2014.10.07

向かって右がホール棟。
 
チェリヴァホール 2014.10.07

正式には「木次経済文化会館」という厳めしい名称ですが、「チェリヴァホール」という愛称で親しまれているようです。
 
木次経済文化会館(チェリヴァホール) 2014.10.07

向かって左が商業施設棟です。
 
サン・チェリヴァ 2014.10.07

1Fは食品売場とドラッグストアや貴金属、眼鏡、花、クリーニング店やイートインコーナーなどのテナント。2Fは衣料品売場や書籍、100円ショップ、ヤングカジュアルのテナントなどが入居するショッピングセンターです。

駅前で自動車道からも至近の同店が、現在、存亡の危機を迎えています。

地元紙「山陰中央新報」2014年(平成26年)10月2日(木曜日)付 【山陰経済】地域24面より
 

 中堅スーパーのイズミヤ(大阪市)の子会社が運営する雲南市木次町里方のショッピングセンター(SC)「サン・チェリヴァ」が来年4月に閉店することが1日、関係者への取材で分かった。市内のスーパーとの競合や松江、出雲両市への大型SCの進出で売り上げが落ち、赤字が続いているため。契約に基づき、所有スペースは雲南市に無償譲渡する方針で、市は周辺住民の買い物やテナント店への影響の大きさを踏まえ、後継事業者の確保を急ぐ

 サン・チェリヴァはイズミヤが1993年10月に開業した。現在は、子会社の木次リテイル・サービス(雲南市木次町里方、長嶋隆一社長)が運営。直営のスーパーに加え、ドラッグストアや100円ショップ、宝石店など九つのテナント店舗が入居している。

 施設は4階建てで、98年に旧木次町の第三セクターから1、2階の売り場(計約4,400平方メートル)と3階の駐車場部分を購入。敷地と4階部分は市町村合併後、雲南市が所有する。

 関係者によると、木次リテイル・サービスの売上高はピーク時に約18億円あった。しかし、帝国データバンク、松江支店の調査では、2013年2月期は前年同期比6.1%減の12億2100万円に低迷。イズミヤ総合企画室はプライベートブランド商品の導入などでテコ入れしたが、収益改善の見通しが立たず、閉店を決めたという。

 周辺で3月下旬~4月上旬に開かれる恒例の「きすき桜まつり」が終了後、4月12日に閉店する。

 従業員43人については、市や関係機関の協力を得て、再就職を支援。テナント契約は閉店までに解消する。

 市産業振興部の福島宏芳部長は「地域経済や市民生活への影響が懸念される」と語り、地元の金融機関や商工会と連携し、後継事業者の誘致活動を進める考えを強調した。

 テナント店舗の経営者の1人は「この先どうなるか不安。後継事業者が決まれば、営業を続けたい」と話した。

 

以上、全文転載。

 

地盤の関西に経営資源を集中し、グループの最強化を図るH2Oリテイリングの経営方針に鑑みると、親会社の経営統合の時点で、このような措置は予想されたことかもしれません。

 

◇概要

名称=サン・チェリヴァ
所在地=島根県雲南市木次町里方30-2

TEL=0854-42-2500

営業時間=1F食品売場9時~20時、2階売場、専門店10時~20時

定休日=不定休

売場=1~2F
アクセス=JR木次線「木次駅」より徒歩1分、松江自動車道「三刀屋木次IC」より5分